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「ねえ、柴崎。」
「ん〜?」
「堂上教官はいつ言うのかな。あの続き。」
「さぁねぇ。でもま、秒読み段階ってとこじゃないかしら。そうそう。最近の堂上教官の七恵を見つめる視線たら凄いのよ。もう甘々!気づいてないのあんたと七恵ぐらいよ?」
「えー!教官が!?でも、まあ、そっか…。もうじきあたし等だけの七恵じゃなくなるのかぁ。」
「…もう。馬鹿ね。嫁に行くんじゃないんだから。」
「そっか。そうだよね…。」
「さ、あたし等もそろそろ部屋帰って寝ないと明日の業務に響くわよ。」
「そうだね。」
「七恵、おやすみ。」
七恵が眠った後の秘密の話。
柴崎も、あたしも。
本当に七恵のことが大好きだから。
可愛くて、純粋で、無邪気で。
泣き虫で、よく笑う。
まるで妹みたいに可愛がってきた貴女だから、たったこれだけのことだけど、少し寂しい。
でもそれと同時に、少し嬉しい気持ちもあるよ。
友達の恋が実るって、やっぱりとても素敵なことだから。
早く、おめでとうって言える日が来ますように。
つづく
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