page.4
「俺も…お前に会えなくて寂しかった。」
「…え?」
「俺も…!いや、これはまたこの騒ぎが落ち着いてからにしよう。明日からお前のフォローに俺がつく。過剰なファンへの対策で、柴崎には小牧がつくことになった。落ち着くまで、俺がおまえを守る。」
やっぱり夢かもしれない。
一気に嬉しいことがありすぎて、目の前がクラクラするよ。
頬を撫でていた手はまたいつの間にか頭に移動していて、頬の涙の跡はなくなっていた。
「どうせ昼食べてないんだろう?行くぞ。」
「あ、でもでもこれ終わらせてから…。」
「そこで隠れて見てる奴らがやってくれるさ。」
「へ…?」
ガタガタ!
そこ、と呼ばれた棚が急に動いた!
コソコソ声が聞こえる。
郁と光くんと、麻子の声だ!
「ちょ、ちょっとー!バレてるんてすけど!」
「お前がいちいちうるさいからだよ!」
「やっぱり…あんた達連れて来るんじゃなかった。」
み、みんな見てたんだ。
途端に恥ずかしくなって顔がまた真っ赤に染まる。
堂上さんは全然気にしてないのか、はたまた開き直ったのか。
いつもの仏頂面で私の手を握った。
「行くぞ。」
「…はい!」
つづく
[ 31/42 ][*prev] [next#]