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「…で?七恵はどうしたいの?」

柴崎が帰ってきたのはあれから十分程経った頃だった。

コンビニで買ったと思われる軽食と三人分の夜食。
それらは手付かずのまま未だにテーブルの上に乗せられたままだ。

笠原の救援を求める視線に柴崎は瞬時に悟り、小さな溜息と共にこうして七恵の説得を優先したわけではあるが、元々ウジウジされるのを嫌う性格な為、柴崎が先ほどの質問を投げかけるまでそう時間はかからなかった。


「ど、どうしたいって、い、言われても…」

「だってそうでしょう?いくらあたし達が何を言おうと結局は七恵の気持ち次第。まずは落ち着いて今の状況を把握することから始めたらいいんじゃなぁい?」

「ちょ、ちょっと柴崎…いくらなんでも適当すぎじゃ…」

「笠原!あんたは七恵に甘すぎんのよ!少しは自立させなさい?じ・り・つ!ところで、あんた…」


七恵の話をしていた筈なのに、いつの間にか話の矛先は自分に向かっている。

あれ?とばっちり!?


ずいと身を乗り出し、尚も何かしらの文句を言い募る柴崎にひぃぃぃ、と体を仰け反らせながらも笠原は隣で先程とは違う表情で俯いてる七恵から目が離せなかった。


「ちょっと聞いてるの、笠原!」

「は、はーいはいはい!聞いてるってばぁ!」

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