神の子補完計画


神の子補完計画



「ジャンプ方程式『友情・努力・勝利』に則った立海サイドからテニスの王子様を100倍面白い結末に変えてみよう!」


・関東大会のS1が神の子VS王子
 (VSを携帯で打つと「よめ」だよ)

・つまり神の子がピンピンしてる設定、いろんなところがピンピンどころかビンビン

・真田がベンチにて青学の一年に「あの人監督じゃないのっ?!」
で笑いをとる

・モチロン勝つのは神の子

・3対2で立海関東17連覇の大偉業達成

(青学サイド
・悔しがれ越前、いや悔しがる越前 

・手塚、九州で
 「やはり早かったか。俺も早くコートに戻らなくては…」

・みゆきちゃんは中2設定で手塚のラブアバンチュール

・恋愛皆無のテニプリに部長自ら示そう)

・関東大会2日後くらいに神の子が原因不明の病に倒れる

・例の突発性の免疫系の病

・「治るのは一ヶ月先か、一年先か…。」

・(ふざけるな!!俺はコートに戻って三連覇を成し遂げなくてはならないんだ…っ!!

・ここで一気に女子票を掴む

・「幸村ぁーっ!!俺達は無敗でお前を待つっ!!」

・試合以外は個人プレイが多かった立海テニス部が一気に固い絆で結ばれる

・「…仁王君。それは…?」

 「やーぎゅ?ちょいと付き合ってくれかの。」

・「ブン太、もう止めた方が…、」

 「何言ってんだよぃ。体力バカについてくにはこれくらいは当然だろぃ。」

・「柳せんぱーい、」

 「新しいメニューだ。」

 「さすが柳せんぱい。」

 「と、追試のヤマを張っておいた。弦一郎には内緒しておいてやる。」

 「…さすが、柳せんぱい…。」(参謀様はお見通しってか?)

・「……。」
 無言で素振り真田

・美味しいヒトコマずつで立海レギュラーの日常を披露

・更にここで立海票を集める

・全国決勝オーダー
 S3真田VS手塚
 外せない

 D2柳・柳生VS乾・海堂
 奇妙な出会いが伏線

 S2仁王VS不二
 人気票は確保

 D1丸井・ジャッカルVS大石・菊丸
 名前だけ見たらシングルスの試合みたいな
 ここも一部ダブルス好きのお嬢様の為に外せない

・S1切原VS越前
 まさかのルーキー対決

・次世代を担う二人に託された中学テニス界の未来

・二人的にはあの時の借りを返すぜ

・切原には可哀想だけど、越前の勝ち

・だって青学は主役校だし

・切原が真田に殴られに行った時、ぽんと切原の頭の上に手を置いて
「表彰式が終わったら、…幸村に会いに行くぞ。」

・「真田ふくぶちょー…。」

・なんかフラグ立ったよ?

・時代は立海だよ?・最終回でも王者の存在感を見せ付ける立海だよ

・表彰式の後の青学

・竜崎先生が手塚に
「立海の幸村君が今朝、亡くなったそうだ。」

・「……。」
息を飲む手塚

・「今はまだ、みんなには黙ってくれんかの。」

・あれ?竜崎先生、仁王っぽい

・優勝で喜びまくる青学

・でも胴上げのあと、輪から離れていた越前は聞いてしまっていた

・(勝ち逃げなんて、ズルいッス)

・「なーに泣いてんの、オチビ?」

 「嬉し泣きッスよ、英二センパイ。こいつもまだガキッスから」

・「……まだまだだね。」

・カッコつけても実は鼻声

・悔しいけど主役なので、ここで越前の票が上がる

・神の子の病室に駆けつけた立海

・いつもと変わらない微笑みを湛えたまま眠る神の子

・カシャン(準優勝の盾が落ちる音)

・「目を覚まさんかぁーっ!!」

・号泣する真田の肩に手を掛ける目頭を押さえた柳

・丸井と切原は大泣き

・二人を抱き止める男泣きのジャッカル

・柳生、人知れずハンカチを濡らす

・一人病室から抜け出し壁を叩き続ける仁王

・神の子の母から神の子の手紙を受け取り、即座に開く真田

・そして誓う

・「幸村、お前の夢は夢で終わらせない。必ず…、必ず俺達がお前を全国の頂点に連れて行ってみせるっ!!」

・越前が空港で振り返り、「Good-luck、幸村サン」

・またテニスしようッス



「って感じなんだけど、あれ?皆は?」

俺が昨日寝ないで考えて、授業中まとめた素晴らしいアナーザーエンディングを部活終了後のミーティングで披露してあげたのに、発表し終わったら、真田と柳しかいない。

机に座って何か書いていたらしい柳が顔を上げて、

「柳生は塾、丸井は幼稚園の迎え、ジャッカルはその付き添い、赤也は姉の迎えで、仁王は姉と言うこの世で最も恐ろしい女性に呼び出されて慌てて帰った。」

「ナニ、その微妙に言葉踏んでる系な理由?」

何か置いてきぼりにされた気になった俺は肩を落として、持っていたルーズリーフを机に投げ出すと、何故か窓を拭いていた真田が、

「気が済んだか。」

タオルとガラスマイペットを用具入れに仕舞って、

「何か買ってやるから、早く帰る支度をしろ。」

「…ハーゲンダッツのドルチェの何か。」

「俺は抹茶でいいぞ。」

柳も立ち上がりながら机の上を片付けてるから、もう部室を閉めると言う合図みたいだ。

「蓮二もなのか?」

不満そうな顔しながら、ラケットバッグを背負った真田に、柳は当然と言う顔で、

「ならば弦一郎は何にするのだ?」

意外とこいつは人の質問に答えない事がある。

「俺はガリガリ君だな。」

それで流されやすく騙されやすい真田は律儀に答える。

奢る奴が一番安いのと言うのは何なんだよ?

と思っていたら、ぽんと頭に優しい重みが乗った。

「アイスでも何でも買ってやるから、もうお前が死ぬ話をするな。」

「……うん。」

その言葉の重さを考える間に返事をしていた。

死が隣にある時は、あんなにも死を嫌悪し、恐怖し、怯懦していたのに、運良く死が遠ざかり生が当たり前になった今は死を笑い話にする程にあの夜明け前の孤独を忘れている。

人間なんて酷く単純で都合の良い生き物なんだな。

「やっぱりダブルソーダで真田と半分こかな。」

真田の手を抜けてロッカーの鍵を開けてラケットバッグを取り出せば、

「懐かしいな。スクールの帰りはよくそうしたものだ。」

「俺はどうなる、精市。」

目を細めて懐かしそうな顔をした真田と正反対に不服そうな顔をした柳には、

「じゃ、柳がドルチェ食べなよ。」

「甘過ぎて好きでは無い。」

「えー?じゃ、アイスの実だ。三人で分けようぜぃ?」

「それでいいのか?」

俺が丸井の真似をしたのか、あまりの安上がり加減なのかに驚いた様に俺を振り返った真田には日頃の苦労と平凡で幸せな生に退屈していた俺を気付かせてくれた感謝を込めて微笑んだ。

「おでんも奢ってね。つくねと大根と卵。」

「俺は昆布と白滝、やはり大根は欠かせないな。それとお茶もだ。」

「なっ?!先程のアイスだけより増えてるではないかっ?!」

本気で焦る真田の右肩に手を置いて、決め台詞。

「真田、苦労をかける。」

その俺を見てにやりと笑った柳も真田の左肩に手を乗せて、

「弦一郎、精市の期待応えなくてはいけないな。」

と煽ってやれば、真田は肩に置かれた俺達の手を払って、

「男に二言は無いっ!!行くぞ!!幸村!!蓮二!!」

颯爽で部室を出ていく背中は本当に頼もしい。

作戦が上手くいった事に柳と顔を見合せて笑いながら、「神の子補完計画」は丸めてゴミ箱に捨てた。

俺はまだまだテニスがしたいから、「神の子」よりも「人の子」でいたいと言うのが本音だ。

(20100801)
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