好きすぎてゴメンね?


好きすぎてゴメンね?

書いた人しか楽しくないネタ

比較的個々が楽しめる物がある赤也の部屋に集まった時の話だ。

「やっぱ、バサラいいよぃ、マジかっけー。」

歓喜の声を上げながらコントローラを握る丸井に赤也が頷きながら、

「やっぱ、声ッスよ。声が最高ッス。」

「だなぁー。」

「…俺を見るな、指を差すな。」

どうやキャラの一人の俺の声と似ているらしく、事有る毎にこの二人は俺にそのキャラの台詞を言わせようとする。(後日バサラと無双を勘違いしていた事に気付くが)

「キャラも充分際立ってますよ。」

とコミック片手に顔を上げた柳生の隣で、

「うむ。武将達だけで無く、その妻達の内助の功があってこその戦なのだと思い知らされたな。」

先程からもう一台のテレビの前に体育座りをしたまま微動だにしない仁王の後ろで腕を組む弦一郎まで洗脳されているらしい。

「やっぱ、まつだろぃ?」

「あぁ、まつ殿だな。」

この二人は自分の為に米を炊いてくれる女性が好みの様だ。

「声もいいがの、やっぱ歌じゃろ?」

リモコンを持ったまま際限無くオープニングだけをリピート再生をする仁王の声に今までiPodのイヤホンを離さなかった精市が、

「偶然弐を見たんだけど、やっぱり歌がいいよね、歌が。」

ボリュームを最大にすると最近発売された曲が床を中心に響く。

「壱の方なんて、モロ筆頭ソングだしよぃ。うわっ?!赤也っ?!」

「へへ、やりぃ!!思わずヘドバンしたくなるッスねぇ〜?」

「またやりすぎて貧血になるなよ?」

柳生と同じ様に大人しくコミックを読んでいたジャッカルが呆れた様に声を掛けた。

「俺も部活でHere we goとか言っちゃおうかな?」

精市は意外に影響されやすい、その分純粋なのだろうと解釈出来るが。

「Yaer!!!!」

その精市と供に行くのが俺達で。

「この調子でカラオケ行くよ。」

決定したら早い、イヤホンのコードを丸めて鞄に詰め込むと、仁王・丸井・赤也の頭を叩いてテレビの電源を落とさせる。

「a.b.sだけかと思ったらしっかりTMRもやってくれたからね。ここは還元ネタとしてInvokeとIgnitedも歌っとかないと。」

どこまでサービスする気だと思いながら、家族に今夜は夕食を要らない事をメールで伝える。

「えっ?!幸村君、種や運命もイケんのっ?!」

「あの八ヶ月を無駄に過ごさないよ?」

「じゃぁっ?!meteorもッスかっ?!」

「余裕だよ。」

「Zipsもか。」

「誰に向かって言ってんの?」

「無論、Heart of Swordも行ける。」

「つか、お兄さんにまた単行本貸して言っといて。」

一様に出掛ける支度が整えば、先陣を切ってドアを開けた精市が俺達を振り返る。

「Let's party!!!!」

「Yaer!!!!」

既に独眼竜になりきって勝鬨を挙げている精市に喜んで付いていく我ら立海テニス部は永遠に不滅だ。

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