三馬鹿会議


三馬鹿会議



「もし、自分が女だったら誰と付き合いたいッスかっ?!」

練習後のまったりとした部室にキラキラした目の赤也が叫んだ。

それを冷めた目で見る俺と仁王。

「……。」

「……。」

「……?」

俺は週ジャン、仁王は携帯を弄る。

「つかっ?!なんでシカトなンスかっ?!」

キレてバンと机を叩いた赤也に仁王が、

「ニオ君はオンナノコになる気はないナリ。」

ものっそ普通な事を言ったのに、赤也はモジャモジャ頭に手をつっこんでさらにモジャモジャかき回して、

「うわーっ?!先輩たち、夢ねぇー?例え話ッスよっ?!if!!イマジネーションの練習!!」

力一杯叫ぶ赤也に悪いが、生まれた時からブン太エクセレントがついている身としては、なぁ?「もし女だったら」つか考えねぇよ、女装癖とかあるワケでもねぇし。

「俺!!女だったら、柳先輩と付き合いたいッス!!」

マジに女みたいに胸の前で手を組んだ赤也、悪ぃ、普通にキモっ!!

「あー…、ちょっと分かるナリー。」

オイオイ、立海一のモテ男がナニ言ってんナリよ?

柳はねぇだろぃ、柳は?

俺、あんな小舅タイプは却下だな。

「ですよねー?だって柳先輩、背高いし、顔もキレイ系で、頭も良いし、レギュラーだから運動神経も当然、それに超優しいし、いっつも俺の事だけ考えてくれそー?」

いやいやいや…、赤也、帰ってこい。

「おう、なんか記念日とか大事にしてサプライズは欠かさなそうな彼氏になりそうじゃな。マーサも柳きゅんが良いにゃ?」

マーサって誰よぃ?ヒデキの娘か?つか、仁王の猫語マジ吐きそう。

「ダメッス!!柳先輩は俺と付き合うンスから!!つか、仁王先輩には柳生先輩がいるじゃないッスかっ?!」

柳生も口うるさそうだな、こいつも、却下。

「えー?だってぇ、最近、ヒロ、マーサに冷たいし?それにぃ、柳きゅんとも仲良しじゃん?だから、アタシも、なんか柳きゅんが気になってぇ?」

「マーサ先輩の浮気者ーっ?!」

ちょっ、まっ…、勘弁してくれ、ここは今はやりのBL部か?こいつらの裏声マジキショっ!!

「あ?!でも女だったら、真田副部長もアリッス!!」

いや、ナシだろ。あいつ、風紀で女子にも裏拳かましてたぜぃ?

「彼女には甘そうじゃしな。あと、家が金持ちそう。」

確かに、あの重箱弁当はスゲェ。

「出た、マーサ先輩のアクジョ!!」

「ベッド上の詐欺師。」

ぶっ?!

「ちょっ?!それシャレになんないッスよ〜?」

100人斬りしましたみたいな顔して、実はチェリーな仁王は影で女子にそう言われてんのを知らない。

「で、で。丸井先輩はレギュラーだったら誰と付き合いたいッスか?!」

ナニいきなり俺から選択肢限定されてんだ?

「ブン子も言っちゃえナリ。」

うん、まじきめぇ、ホントきめぇ、仁王の女言葉、つかブン子って最悪な名前じゃね?


「どうせ丸井先輩はジャッカル先輩ッスよね?あ、ジャッカル先輩も優しいからいいっかな?」

どうせってなんだよぃ?ジャッカル、超良いヤツじゃんか、つか、赤也、お前が一番のビッチだ。

「ブン子はジャッカルラブで一途だもんにゃー?ウチらだけで恋バナしようにゃ?」

だからきめぇって、しかもキャラブレまくりだしよぃ?

「甘いな、お前ら。」

俺は週ジャンを置いて、バカふたりを見て、机の上で手を組んだ、イメージは「行け、息子よ。」だと思ってくれるとありがたい。

このバカどもは一番大事な人を忘れている。

「彼氏にすんなら、ダンゼン幸村君だぜぃ。ジャッカルは結婚したいナンバーワン、つっても俺の旦那だけどな。どう、天才的?」

この立海において男テニ部長、その歴史の中でも神の子幸村君と付き合える女ってことは、女の中の女、組織票のミス立海よりも何億倍も価値がある。

だけど、将来一緒に暮らすとしたら、仕事や子育てで家事を押し付けても文句を言わずにやってくれるジャッカルを旦那にするのが明るい家族計画ってヤツよぃ?

男の俺だからこそ分かる真の男の価値、なのに、このバカふたりはなんでそんな目で俺を見てんだ?

「…丸井先輩、」

「…ブンちゃんが一番オンナノコっぽいナリ。」

え?


0−ZERO− 妖歌様へ相互記念SS

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