誰か冗談だって言って下さいよ、いや、本気で?!
だいたいダブルスで負けて罰ゲームって、喜ぶの一人しかいないじゃないッスか?
しかも幸村部長と真田副部長のダブルスって、もう最初っから罰ゲームだし!!
いくら柳先輩とだからって勝てるワケがねぇ!!本音は逆らえるハズがねぇし!!
なんで一試合しただけで、キョーレツなめまいと耳なりと、ちょこっと吐き気すんのか意味分かんねぇし!!ホントまじに!!
柳先輩もクジ引きで幸村部長と真田副部長とあたるって分かったときに、もう目が死んでた。いつもの笑顔だったけど。最初から目が死んでた!!
試合中はギリギリ冷静になってデータとってたけど、目が死んました!!あの柳先輩ですら!!
つか試合中にガット二回破られるってどんなに力はいってるンスか、幸村部長?!
笑顔で!!超笑顔で!!女子どこか、野郎まで惚れさす素敵な笑顔で!!
ガット破るの止めてください…。
そんなんで。
第一試合が幸村部長と真田副部長だったものだから、残りの詐欺師ペアと飛ぶ気がないからただの赤い豚と心優しいジャッカル先輩の試合にも負けましたよ…。
まさかのストレート負け…。
その最下位ペアに待ち受けた罰ゲームとは?!
・・・・・。
「常ー勝ー立海大!!一発決めてやれー、オー!!」
チラチラヒラヒラ揺れるミニスカが目の毒。
「Let's go,Let's go,立海大!!」
両手に持ったシャワシャワなボンボンがなんだかなぁ…?
手首の内側が結構かゆくなるんだけど?
なんかテンションさがるし。
やべぇー…、まじやる気ねぇー…。
「赤也。」
「……」
柳先輩が俺を振り返ったけど答える気もない…。
「ちゃんとやらなきゃ駄目だぞ。」
腰にボンボン持った両手を当てて、前屈みで俺に注意する柳先輩がこんなにかわいいなんて…!!
あのきれいでかっこいい柳先輩をかわいいって思う日が来るなんて…!!
(アッチの世界にさようならの日が…?!)
今日が俺の世界が終わる日なのかっ?!
「R、I、K、K、A、I、D、A、I、立海大!!」
頭を抱えてしゃがんだ俺の隣で柳先輩はノリノリでパンチラサービスッスかぁっ???!!!
「うむ!!たまらん脚だな!!」
「俺より背の高い彼女もアリだね。あの長い脚で絡まれたい。」
王者立海大の部長副部長とは思えない発言をして、微妙に首を傾げて、柳先輩のパンチラを見ようとしてる二人の姿なんか見たくない!!
つか?!チアのユニフォームの下って、ようはアンスコだろ?つまり見せぱんなンスから、お願いだからみっともないマネしないで下さいよ!!幸村部長!!真田副部長!!
「存外参謀もノリノリじゃのう?」
「ここは罰ゲームと割り切って、チアガールになりきる方が気も楽でしょう。」
そうッスよ、なんで罰ゲームがチアガールって、なんなンスか?誰の趣味ッスか?誰が中学生に見えない老け顔の女装なんか見たいンスか?もし真田副部長やジャッカル先輩が負けた時はどんな地獄絵図……。
「ホラ、特別サービスだ。」
「ぎゃぁぁぁぁぁっ?!やなぎぜんばぃぃぃっ?!」
チラッとスカートの裾をまくって、ぱんちらサービスに部員全員が一斉にしゃがんだんスけどぉぉぉぉっ???!!!
おかしいだろっ?!
男だろう?!どう見ても男、イケメン、美男子!!しかも181もあるんだぞ?!肌も白いしきれいだし、美人だし、足もきれいだし、いい匂いするけど、柳先輩は男なんだぞ?!
おかしいだろうが!!三強の幸村部長と真田副部長は友情どーしたっ???!!!
「シャッターチャンスは一度だけ!!」
「仁王君!!後でその写メを寄越したまえ?!」
無駄に青学の魔王にイリュージョンしてコートに携帯持ち込み厳禁なのに連写メする詐欺師に本音ぶちまける紳士は紳士返上しろよ。つか携帯持ち込みした罰で鉄拳食らえぺぺん師。
「仁王、俺にもちょうだいよ。」
「是非待ち受けにしたいものだな。」
…もうダメだ、この部長と副部長…。
「ならこのポーズはどうだ?キラーン!!」
ばっちりウィンク決めてる柳先輩にホントなんて言ってあげたらいいのか……。
……かわいいッス。
「よぉ、赤也?お前はなんかやんないのかよぃ?」
「赤也も充分かわいいぞ。」
「…死んでください…。」
ニヤニヤ笑う丸井先輩に笑いをこらえているジャッカル先輩、ぜってぇこのネタ引っぱる気ッスよね?
「これ貸してやっかよぃ。」
「ちょっ、痛いッスっ?!」
「おー似合う似合う。」
丸井先輩が赤い飴玉みたいなのがついたゴムで前髪を結ってるのを見て、投げやりに誉めるジャッカル先輩の方がひどくね?
「赤也もおめかしして、かわいいのう?」
「ひゃっ?!」
いきなり内ももを撫でられたかと思ったら、仁王先輩が肩を組みやがった。このセクハラペテン師!!
「仁王君、愛らしい物は共有ですよ。」
クィッて眼鏡をあげる柳生先輩が言い出したぁ?!
「出来る事なら今の切原君のように愛らしくておしとやかな妹がほしかったですね。」
「俺も赤也が妹がいいナリ。」
なんでそういう方向にいくンスかっ?!
「どうです、切原君?私を比呂士お兄ちゃんと呼んで下さい。」
「俺はマサにぃでいいぜよ。」
「んじゃ、ブンにぃで。」
「俺も一回はお兄ちゃんって呼ばれてみてぇなぁ…?」
…なにこのだらしねぇ顔?
…もうダメだ、王者のプライドもなにもねぇ…。
チアのユニフォーム着た後輩にここまで興奮できる先輩たちなんか見たくねぇ…。
「コラ、お前たち。」
「うわっ?!」
いきなり後ろから抱きつかれたと思ったら柳先輩の腕が胸の前に回ってた。
うわぁ、よかったぁ、ライトな変態たちから救われたよ。
「赤也は今日一日俺の妹だぞ?」
「・・・」
ちょっ、えっ、は…?
「ずっるーい!!柳!!俺もする!!てか俺にして!!」
「妹に接吻等たるんどるぞ?!赤也、俺にしろ!!」
…ほっぺちゅーって、ほっぺちゅーって、ほっぺちゅーって。
「駄目だ、赤也は俺の妹だからな。」
…て、またほっぺちゅーする柳先輩となんか取り合うが始まる光景って…。
誰か冗談だって言って下さいよ、いや、本気で?!
※うりんさまとえこさまに捧げます。
(20120408)
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