拡大版・三強だってお年頃〜ペテン師は見た!!編


拡大版・三強だってお年頃〜ペテン師は見た!!編



「よし、じゃんけん!!じゃん!けん!ぽん!…よしっ!!パ、パンかた!!」

「む…。」

「では、次。じゃんけん、ぽん。…ふ、乳房。」

「うわっ、ヤラれたよ…。」

「……」

「ハイ、じゃーん、けーん、ぽん!!…チッ、真田か…。」

「これは流石に避けたいな。どうする、弦一郎?」

「ルール守れよー。」

「……、愚息。」

「……」

「……、弦一郎。」

「お前、喧嘩売ってんの?真田が愚息だったら俺なんて永遠のリトルジュニアだよ?どうすんの?」

「安心しろ、精市。俺で標準だ。」

「…近頃堪え性が無くて困っている。こればかりは鍛練でもどうしようも無い様な気がしてな…。」

「……あー、分かるぅ、パンかた見ただけでイップス!!なんだよねぇ、どう思う、柳?」

「健全な男子中学生として正常な反応だろう。俺も巨乳には微塵も動かされないと自負していたが、ランニングの時に揺れる乳房には敵わなかったぞ。」

「己の愚かさが情けなく思うこの頃だ…。」





「は?それ作ってんだろぃ?」

ブーちゃんが英語の課題をやりながらそう言いやがったぜよ。

俺もこれが夢オチとかだったらどんなに俺が救われたことやら。

「つか、柳せんぱいのイリュージョンはするなって言ったじゃないスか。しかも俺の柳せんぱいはそんなこと言わないッス!!」

赤也、おまん、どんだけ柳に憧れ持てんじゃ、あいつだってな?肌色率99%、いや、参謀に限っては50%な着衣プレイのマイベストDVDを夜な夜な作っとんじゃぞ?

つか、その前になんで今ごろ夏休みの宿題をやってんじゃ、しかも先輩にやらせて?

こいつマジに大物じゃのう…。

「フツーよぃ?グリコ・チョコレート・パイナップルだろぃ?」

丸井が筆箱からグリコのおまけについてる木の列車を出して眺めてた。

「俺のオカンはグンソク・チョナンカン・パクヨンハって言っとったのう?」

「なんか一人ちがわないッスかっ?!」

バンと机を叩いてつっこむ赤也は801ちゃん母娘だからいいんじゃ、ウチなんか突然韓流ぜよ?乱菊さんLOVEで予約したんのに、再生してたら韓国版花男!!しかも面白くて最後まで見ちゃったぜよっ?!んで網球王子の放送予定はいつじゃろうなぁ?

「どうでもいいけど、国営放送のラジオでグリコは言えなかったのを聞いた時は吹いた。」

「あー、分かるナリ。プレイバックpart2の真っ赤なポルシェも車に変えられたとか変えられなかったとか…。」

大人の事情ってやつじゃのう、ちょっと悲しいナリ。

「つか、三強なのになんでばんばんエロいこと言うンスか?なんかいまだに信じられないッス、特に柳せんぱい…。」

急にがっくりとうなだれて机に伏せた赤也はまだ分かっとらん。

「三強だからだろぃ、バカ也が。」

「デキル男ってのは下ネタも冴えとるんじゃ。」

「あー、あー、聞こえない聞こえない何も聞こえない、アダッ?!」

耳をふさいでる赤也の頭を英語のワークで叩いた丸井は、

「お前さ、三強の乳伝説知らねぇだろぃ?」

ぷっ、ついに解禁ナリか、ブーちゃん?

「え?でも柳せんぱいは巨乳嫌いじゃ…?」

「巨乳は嫌いでも乳が嫌いなんて言ってねぇだろって、その話じゃねぇし!!」

「イデッ?!あんま叩かないで下さいッス!!これ以上バカになったらどーすンスかっ?!」

「問題ない。」

てブンちゃんがカッコつけても、カッコワラなんですけどね。

赤也もどんなに叩こうがこれ以上バカになる事もなか。

んで、問題の三強乳伝説っていうのが。

「一年ん時の考査で、国語で『乳』を『ち』って読む熟語だが単語だがを答えろって問題あっただろぃ?」

珍しくサラダプリッツを取り出した丸井は赤也の鼻の穴目掛けて突き刺した。

「…あぁ、確か、解答例が乳飲み子だったって言う…。」

プリッツを避けた赤也は丸井から取り上げてぼりぼり食う。

「んで、そんときに、乳飲み子が思い出せなかった三強が書いた答えが、柳が乳房で真田が乳兄弟だっけ?」

「多分、真田に幼なじみの乳兄弟といきなし現れた許嫁の板挟みじゃろーとか言っとった気がするから。」

真田だとありそうな話じゃから嫌なんじゃけど、絶対まーくんが一番に彼女作るナリ!!

「…そんな、柳せんぱいがち、ち、乳房なんて、破廉恥でござる!!」

「いや、乳房で妄想してサラッと言えねぇお前が破廉恥だから?」

きっと夏休み中姉貴様と戦国なんちゃらを見たかゲームしたんじゃろう赤也に同情しながらも、なんでれっつぱーりぃの方に影響されて、英語嫌いが治らんかったのか、姉ちゃんの苦労が忍ばれるっちゃ。

つか、赤也、おまん、手がおぱい揉んでるナリ。

「手止めろっ!!」

「あだっ?!」

「これでビビッてたら幸村くんなんかどーすんだよぃ?」

赤也のアヤシイ手を叩き落とした丸井はプリッツを一気に五本くわえて高速でかじり倒すと、

「幸村くんなんて時間いっぱいまで悩んで、乳首って書いたんだぜぃ?」

「てぃ、てぃ、てぃくびですかぁ〜っ?!」

「俺らの国語のセンセーはなんか変に上品ぶってるから、乳房とか乳首に丸つけんのは嫌だったらしいけど、間違いじゃねぇからなぁ…。」

て解説してるブンちゃんの話を聞いちゃいない赤也は、あわあわと乳首っつー単語に反応して、キャパオーバー中。

湯気が出そうなくらい真っ赤な赤也たんに悪いが、これなんてあいつから三強って呼ばれるにはまだ序の口の話だって言うたら、どうなんのかなって思ったら、丸井と目が合おうた。

肩をすくめた丸井は苦笑いしとる。

俺らが引退したら本気にキツいかもしんないのう?

何がってナニじゃろ?

(20110912)
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