幸村精市のいい湯だな
丸井かな?「寒いから銭湯に行こうぜぃ!!」って言い出して、みんな部活の後暇だし、行こうか?って流れになった。
そしたら、最近銭湯にハマってるジャッカルが、「良い所を知ってるぜ?」って言うから、じゃぁ、そこに行くかってなった。
タオルや着替えなんかは部活があるから一応あるし、ボディソープやらシャンプーやらはみんなでお金を出して、銭湯で買おうって話になった。
ジャッカルの家から十分くらいの所に「梅の湯」、真田が「時間ですよか?」なんてお前いくつよ?な事を言ってたけど、その通りで、広いロビーにカウンターがあって、そこから男女に分かれるスパタイプじゃなく、古き良き時代の番台があるタイプのいかにも銭湯だった。
「これでおかみさんが森光子だったら笑えるの。」
「だから、お前らいくつよ?」
年齢不詳第二号の仁王にツッコミを入れながらのれんを潜った時に、
「ちょいと、女湯は隣だよ?」
「は?」
って止められた。
「いや、俺男ですけど?」
後ろで笑ってる丸切、それと柳生、覚えてろよ…。
「あたしゃ五十年も番台に座っててこんなきれいな男の子を初めて見たよ。」
「はぁ、どうも…?」
バカにされたか誉められたか微妙なところだけど、このおかみさんの年齢が気になる、五十年って…。
俺を笑っていた丸井も、
「カラースプレーはお断りだよ。」
って注意されてた、ザマーミロ。
「俺のは地毛だぜぃ。なんなら下も見せようか?」
「そんな貧粗なのはこっちから願い下げだよ。」
丸井の名誉の為に吹き出さなかった俺達偉い!!
「うっせぇ、クソババ!!」
「悔しかったら、お前もなってみな。」
いや、これには素で笑えた、丸井はなりたくったってなれないし。丸井の完敗だね。
その丸井とおかみさんのやり取りの間に料金について語り合う真田と柳にも笑ったけど。
「…中学生はどの区分に入るのだ?」
「中学生以上は大人料金の様だな。よかったな、弦一郎。」
うん、良かったよ、生徒手帳を手放せない俺達立海テニス部、さすがに赤也を「大学生?」って聞いたカウンターの人は目が腐ってんじゃないかと思ったけど。
俺と一緒に入った筈なのにまだ真田達の後ろでなんか挙動不審の仁王を見てたら、なんとこいつ!!
番台の隙間からなんとか隣の女湯の脱衣所が見えないかと、ソワソワしてやがった!!この立海の恥さらし!!
期待に満ち溢れる仁王に対して、渋い顔の柳、一番背が高いが為に番台越しに見えちゃったとか?
柳の好みってピンポイントでくるから、なかなか柳のお眼鏡に敵うのっていないもんなぁー?てか俺も見たい。
「覗いたってね、今の時間はあたしらの同級生しか入ってないよ。」
俺が背伸びする前におかみさんに言われて、あからさまにガックリと肩を落とす仁王、お前「駆け引きが上手な女」とか言っておきながら、普通に制服×巨乳好きだもんな。
その仁王を慰める柳は、喪服妻とかシチュエーションならとことんマニアックだったり、あれ?おかみさんの同級生なら喪服妻もいるんじゃない?
年取ると巨乳が垂れて見られたもんじゃないるって言うらしいけど、実物?見た事ないからなぁ…。
「それでも気になるなー?」
「…精市、まだ夢を見ておけ。」
「てへ?」
また背伸びをしようとした所を呆れた柳に襟首を掴まれて、脱衣場に連行された。
そして、まさかの前編だったりする。[→]
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