- ナノ -

■ シャルナークp,30

お題『I wanne see the dream with you』

「家は一戸建てがいいな」「子供は男女一人ずつ」「犬も飼おうよ」「庭にプールもつけてね」「え、それ使うかなー」

貴方と将来の話をするのは楽しかった。
貴方は隠してるけど、本当は犯罪者だって知ってる。
だけどこうして人並みに、幸せな家庭を思い描いたっていいじゃないか。

貴方と一緒に夢を見たい。
出来ることなら醒めないで。




お題『負けました』


「いい加減機嫌直してよ」「無理」

俺の彼女は何かあると二言目には別れると言う。
謝るのはいつも俺。惚れた弱みだ仕方ない。

だけどたまには強がって、いいよって言ってみた。

「何言ってんの、シャルは私無しじゃ駄目なんでしょ」

そういやいつも言ってたな。思わず頷いてしまう。

「…負けました」

やっぱり折れるのは俺なのか。
まぁ、彼女の言う通りだし仕方ない。



お題『行かないで(逝かないで)』

「大スクープなの!」

君はそう言って俺の制止もきかず、電話を切った。すぐにかけ直しても繋がらない。反対に俺の電話が鳴って団長からだった。

「何をしている、行くぞ」

あぁ、このままで鉢合わせてしまう。行かないで、自分の記事が新聞の一面を飾ったって、死んだら終わりだ。

ナナコ逝かないで。



お題『そんなに口悪かった?』

ナナコと喧嘩していることが蜘蛛の皆にバレた。だから今はホームにいても気まずい。

気晴らしに街へ出かけるとカフェで彼女とマチが話していた。

「そもそもシャルのどこがよかったわけ?」

「腹黒で金に汚くて精神ガキでキモマッチョなとこ?」

喧嘩してるからなんだよね…そんなに口悪かった?




お題『好きな人の恋を応援する』

「やっぱり私じゃ釣り合わないかな」

俺は今、俗に言う恋愛相談ってやつを受けている。ナナコが団長を好きだなんて知らなかった。

「ナナコは可愛いよ。とにかく攻めないとね!」

「そう…?今度デートに誘ってみようかな」

可愛い君には俺の隣にいてほしいのに。
何やってんだろ、自分。




お題『友達以上恋人未満』

好き、とフランクに言える関係。
それはとっても居心地がいいんだけど、俺はもっと先に進みたかった。

「シャルー、ゲームしよ」「やだ」

「え?」断られるなんて思ってなかったのか、彼女は目を丸くした。

「しようよ」
「じゃあ、俺が勝ったら付き合ってくれる?」

冗談じゃないんだよ。こんな形でしか言えないんだ。



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