■ シャルナークp,30
お題『I wanne see the dream with you』
「家は一戸建てがいいな」「子供は男女一人ずつ」「犬も飼おうよ」「庭にプールもつけてね」「え、それ使うかなー」
貴方と将来の話をするのは楽しかった。
貴方は隠してるけど、本当は犯罪者だって知ってる。
だけどこうして人並みに、幸せな家庭を思い描いたっていいじゃないか。
貴方と一緒に夢を見たい。
出来ることなら醒めないで。
※
お題『負けました』
「いい加減機嫌直してよ」「無理」
俺の彼女は何かあると二言目には別れると言う。
謝るのはいつも俺。惚れた弱みだ仕方ない。
だけどたまには強がって、いいよって言ってみた。
「何言ってんの、シャルは私無しじゃ駄目なんでしょ」
そういやいつも言ってたな。思わず頷いてしまう。
「…負けました」
やっぱり折れるのは俺なのか。
まぁ、彼女の言う通りだし仕方ない。
※
お題『行かないで(逝かないで)』
「大スクープなの!」
君はそう言って俺の制止もきかず、電話を切った。すぐにかけ直しても繋がらない。反対に俺の電話が鳴って団長からだった。
「何をしている、行くぞ」
あぁ、このままで鉢合わせてしまう。行かないで、自分の記事が新聞の一面を飾ったって、死んだら終わりだ。
ナナコ逝かないで。
※
お題『そんなに口悪かった?』
ナナコと喧嘩していることが蜘蛛の皆にバレた。だから今はホームにいても気まずい。
気晴らしに街へ出かけるとカフェで彼女とマチが話していた。
「そもそもシャルのどこがよかったわけ?」
「腹黒で金に汚くて精神ガキでキモマッチョなとこ?」
喧嘩してるからなんだよね…そんなに口悪かった?
※
お題『好きな人の恋を応援する』
「やっぱり私じゃ釣り合わないかな」
俺は今、俗に言う恋愛相談ってやつを受けている。ナナコが団長を好きだなんて知らなかった。
「ナナコは可愛いよ。とにかく攻めないとね!」
「そう…?今度デートに誘ってみようかな」
可愛い君には俺の隣にいてほしいのに。
何やってんだろ、自分。
※
お題『友達以上恋人未満』
好き、とフランクに言える関係。
それはとっても居心地がいいんだけど、俺はもっと先に進みたかった。
「シャルー、ゲームしよ」「やだ」
「え?」断られるなんて思ってなかったのか、彼女は目を丸くした。
「しようよ」
「じゃあ、俺が勝ったら付き合ってくれる?」
冗談じゃないんだよ。こんな形でしか言えないんだ。
※
[
prev /
next ]