- ナノ -

■ SSまとめN

お題 『お疲れ』

言葉では労ったけど、オレは内心不機嫌だった。

「ホントに疲れたよ、ヒソカと仕事するといつもこれだからなぁ」
「だったら断れば?」
「でもお得意さまだし」

疲れるならやめちゃえばいいのに。そしたらオレも心配しなくてすむしさ。
ナナコの帰りを待ってるオレの方がお疲れだよ。



お題『こっち向いて』

彼女がペットを飼い始めた。
だから必然的にオレに構ってくれなくなった。

「オレ、そいつ嫌い」
「なんで?可愛いのに」
「可愛くないよ」

お前はオレだけを見てればいいのに。なんでそんな犬なんて飼うの。
ほら、こっちを向いて。



お題『そう言ってたの聞いたからさ』

彼女はご当地ストラップを集めているそうだ。だからオレは執事に命令して生産元の工場から全種類送ってもらった。

「これ好きだって言ってたの、聞いたからさ」
「……イルミの馬鹿!」

後々聞くと集めるのが趣味らしい。
オレはどうやら彼女の楽しみを奪ってしまったようだ。



お題『それ、反則』

にらめっこしよう、と無謀にもナナコが挑戦してきた。
負ける気はしないのでやってみる。どうせそのうち自滅するだろう。

「イルミのこと‥‥大好きだよ」

くそ、思わずにやけた。それ、反則。



お題『ちょっとオレの彼女に触るなよ』

こいつ、絶対にわざとやってる。
オレの目の前でこれ見よがしにナナコの肩を抱くクロロ。余程死にたいようである。

「どうした、イルミ?」

そう言ってにやりと笑ったクロロは彼女をぐいと抱き寄せた。
ちょっと、オレの彼女に触るなよ。いい加減にしろよ。

「この依頼はもう受けない」



お題『どさくさに紛れてどこ触ってんの!』

急ぐから掴まって、とそれだけ言われて急に抱きかかえあげられた。
俗に言うお姫様だっこ。恥ずかしいったらありゃしない。そして地味に手の位置が気になった。

「ちょ、どさくさに紛れてどこ触ってんの!」

右手で思い切り胸を掴まないでください。



お題『ふわふわしてるね』

皆はオレの髪をストレートだと言って羨ましがるけれど、オレはナナコのふわふわとした猫っ毛が好きだ。

「いつ触ってもふわふわだね」
「やだ、禿げる」
「自慢の髪だね。抜け毛も集めようか」「怖いよ」

オレが自慢するとヒソカまで頭を撫でるようになったのは、頂けないけれど。



お題『やばい』

急にイルミがそんなことを言うから、何か計画に支障が出たのかと思った。

「やばい、ナナコの飲み物に媚薬入れ忘れた」
「やばいのはあなたの頭です」
「取りに帰ろうか」
「要らないよ!」

誰かイルミをどうにかしてくれ。



お題『エロ本』

ま、まさかイルミがこんなものを‥‥。

隠しもせず無造作に部屋に置かれたそれに、私は衝撃を受けていた。

「ま、まぁイルミだって男だし‥‥」
「なにブツブツ言ってんの」「うわ!」

不意に現れたイルミは私の手元に視線を落とし、呆れた。

「あぁ、それ。今度針で女装しなくちゃいけなくて身体の参考」
「イルミだから信じるよ」「は?」



お題『オレがいるから』

彼女の両親は死んでしまった。オレの所に依頼が来たから、オレが殺したのだ。

「仕方ないって…わかってるけど、でも…」イルミのこと恨むよ。

そう言った彼女は今や天涯孤独。

「いいよ、恨んでも。その代わり一人にしないよ、ずっとオレがいるから」

泣き崩れた彼女をただ抱きしめることしかできないけれど。



お題『キャンプ』

イルミは土の中で寝るから、テント要らずだねと言うと、雨の日困るんだよと返された。

「少しくらいならいいんだけどね、大雨だと池みたいになっちゃうから。そういう時は岩に穴をあける」
「そ、そうだね‥それがいいよ‥」

サバイバルのレベル高ぇ。キャンプ超えてる。



お題『クロロとじゃ釣り合わないよ』

こんなこと言ったら嫌われるかも、と思ったけれど、つい彼女を引き止めたくて言ってしまった。

「あいつは基本自由人だし、振り回されるよ。ナナコはもっといい人見つけなよ」

普通に好きだって言えば良かったのに。

「ナナコとクロロとじゃ釣り合わないよ」

自分の女々しさにイライラした。




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