- ナノ -

■ SSまとめH

お題『パンツください』

「はぁ?」

唐突にパンツをくれ、と言われて二つ返事で了承するわけがない。私が軽蔑の眼差しを向けると、イルミはぴんと指を立てた。

「じゃあこうしよう。オレのと交換なら文句ないだろ」
「大アリだよ」
「えー、なんで?」
「むしろなんでいけると思ったの?」

これは取引だ、と言った彼はどこかで頭をぶつけて来たんだろうか。




お題『会いたい』

ふと深夜にそう思って、ナナコの部屋を訪れた。当然彼女は寝てる。
当たり前と言えば当たり前だが、ちょっぴり寂しい。

「どんな夢見てるのかな」

寝顔にキスを落として、ベランダから立ち去った。
会いたい、と彼女も想ってくれるようにわざと自分の痕跡を残した。



お題『変態』

変態はピエロ野郎だけかと思っていたけど、私が甘かった。
目が覚めるとちゃっかり私の布団の中に侵入している男の髪を掴んで引きずり出す。

「痛いよ、ナナコ」
「なんでここで寝てるの」「駄目だった?」

可愛く首を傾げても駄目。
胸に伸びてきた手を払ったら、ちっと舌打ちが聞こえた。この変態。



お題『子煩悩』

意外だったけど、イルミはかなり子煩悩なパパさんだった。
いや、キルアへの感じを見ていたら、意外というほどでもないのか。とにかく子煩悩でとにかく人とズレている。

「ほら、お前のために新しいナイフ買ってきたよ」
「この毒も割と美味しいからあげるね」

子供になんてもの渡すんだ。
イルミパパは当然嫌われた。



お題『どんとこい』

「イルミの得意なことって?」「暗殺かな」

引き攣った笑みを浮かべる彼女に、オレは色んな殺しのメニューを紹介する。

「最近は殺し方にも注文をつけてくる客がいるから大変なんだ」
「へ、へぇ…」

だからやっぱりオレの得意なことは暗殺かな。
英才教育受けているから、殺しのことならどんとこい。



お題『女子力』

「白い肌、綺麗な髪、大きな瞳!」

イルミみたいな女の子になりたーい!と言われてオレは反応に困った。

「本当に女子力高いよね、イルミは」
「女子力ってなに、強いの?」
「強い強い」

なんだか騙されているような気しかしない。
だけどヒソカに聞いても同じことを言われた。

「女子力、か…」



お題『好きなポーズは?』

ポーズ?と首を捻った。一体なんの話だ。
だけど彼女があまりにしつこいので、とりあえず腕を組んで立ってみた。

「あー、そんな程度じゃスタンド使いにはなれないね」
「なにスタンドって」
「やっぱヒソカに頼むよ」
「ねぇ、待ってスタンドって?」

せめて説明していけよ。
その後オレはミルの部屋に駆け込んだ。



お題『屈辱』

「三回まわってワンって言って」
「なんだ、そんなことくらい…」

デートの約束を破ったから、一体どんな罰ゲームがあるのかと思えばなんとも可愛らしい。とはいえこの何の意味もない行為を、24にもなってやるのは屈辱だった。

「イルミならにゃーでもいいよ」
「それ、あんまり大差ないよ」とは言いつつ回る。

くそ、恥ずかしい。「にゃー」



お題『香り』

暗殺者はできるだけ体臭を消すようにするし、だから香水やタバコの類もNGだ。
だけど、オレは彼女と一緒に寝たあとに、彼女の香りがすると落ち着く。

「ナナコの香りの香水なら欲しいかも」
「何言ってんの気持ち悪い」

...オレが口下手なのが悪いのかな。




お題『my wife』

オレの妻はまあオレの妻だけあって、かなり変わった人間だ。
最近結婚してわかったんだけど、かなりの天然だった。例えば今日も。

「私ってイルミと結婚してたの!?」
「え、そうだけど」
「知らなかったわ」

オレのプロポーズはなんだったの。ちょっと脱力。

「幸せにしてね」だからするって言ったじゃないか。



お題『あまのじゃく』

「これから私はあまのじゃくになります」

突然彼女がそんなことを言い出したかと思うと、驚いているオレの横っ面を張り飛ばした。

「イルミなんて大っ嫌い!」「…」

ひゅう、妬けるねぇとヒソカが冷かしてきたけれどまったく腑に落ちない。
真っ赤になって逃げてった彼女に思った。普通に告白してくれと。




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