■ SSまとめG
お題『オレにしなよ』
彼女は男を見る目がないと思う。
毎回貢がされたり浮気されたりして、その度になぜかオレが飲みに付き合うことになっていた。
「もーやだ、誰も信じない」
「とか言ってまたすぐ男作るくせに」
「今回はホント、もう恋なんてしない」
ぐいっとグラスを傾けた彼女は、やがて酔いつぶれて寝てしまった。
「オレにしなよ」
そう呟いてみたけど、たぶん聞こえてないだろう。
※
お題『口移し』
彼女が事故った。
だけど別に敵にやられたとかじゃなく、本当に自動車事故だからオレにはどうしてもやれない。
「食べさせて」
「馬鹿だな、なんで両手骨折してるの」だからいい加減念を覚えろって言ってるのに。
スプーンですくったご飯をオレが食べると目を丸くした彼女。そのまま口移しで食べさせる。
「食べさせてって、言ったのはそういうんじゃなくて…」
わかっててやってるよ。
※
お題『初恋だったんだ…』
たぶん、あれが初恋だったんだ。
今考えると、いくら初恋が実らないというジンクスがあるからにしたって残酷すぎだと思う。仕事以外で初めて人を殺めたのはあの時だった。
でも、信じて。君への気持ちは本当だったんだよ。
幼くして死んだ少女の墓には、毎月綺麗な花束が添えられていた。
※
お題『セフレでもいいからさ…』
「友達は要らないんじゃなかった?」
「セックスフレンドは別」
身体だけの関係でいいからと言って、彼女を繋ぎ止めた。
だけど実際に朝、素知らぬ顔をしてベットを抜け出す彼女を見ると悲しい。
彼女はスポーツくらいにしか思ってないのかな。
「セフレでもいいからさ…」
せめて行為の間だけは、オレを愛してよ。
※
お題『何人産めばいいのよ!』 TS設定
「1年に1人はキツい?」
「あと3年で死んでいいならいいよ」
「死なれたら困るな」
イルミとは家族計画を立てるだけ無駄だと思い、諦めてさっさと寝に行く。」
「今日はしない」
「なんで、計画に支障をきたすよ?」
「何人産めばいいのよ!」
一体どんな大家族を作る気だ。そう反論したら、ぎゅ、と後ろから抱き着かれた。
「じゃあ、今日は子供って意味じゃなくシようか」
結局ヤりたいだけですか。
※
お題『筋肉』
ヒソカは筋肉ムッキムキだけどイルミって細いよね、と言われたから「脱いだらすごいよ」と返した。
「お、おう…」
なんでそんな顔するの。その複雑そうな顔は何。
※
お題『柔らかい』
「ナナコって柔らかいね」
それは女子だから、という意味で言ったのだが、その日から彼女はダイエットを始めた。
「痩せてどうするの」
「どうって、太ってんのが嫌なの」
「いいよ、そのくらいで」
あんまり痩せると抱き心地が良くない、と言ったら、抱き枕を投げつけられた。
「一人で寝てろ!」女心って難しい。
※
お題『オレに惚れた?』
ピンチを助けられると、女は惚れるらしい。という訳で崖から突き落としてみた。
「イルミ、絶対許さない!」
「ねぇ、オレに惚れた?」
「殺意が芽生えた」
「なんで?ちゃんと助けたのに」
まあ殺意でも悪くないか。
そう言ったらあんたは何かが欠落していると怒られた。
※
お題『まくら投げ』
「飛距離を競うものじゃないの?」
「誰があの枕を取りに行くのよ」
「うーん、ナナコ?」
「行かないよ!」
まくら投げって初めてやった。
その後正式な遊びの方をやったら、死人が出そうだと中止になった。
残念、結構面白かったのに。
※
お題『ほんとにあった怖い話』
怪談話でもしよーぜとキルアが言うから、ここは私のとっておきを一つ。
「あのね、イルミがね」
「あーもう出だしから怖ぇっての。パスパス、兄貴が怖いのは知ってっから。だいたいあの髪型からして化けもんみたい…な?」「キル」
その後、しばらくキルアの姿を見たものはいなかった。
※
お題『ほんとの気持ち』
「嫌いだよ」「あっそ」
彼女は別に拗ねたふうでもなく、本当に興味がなさそうに言った。
たぶん、今はそれどころじゃないのだ。無くした指輪を探すので忙しいのだろう。
「それより、手を動かして探して」
「また買えばいいじゃん」
「貰い物だから」
嫌いだよ、とまた言った。
他の男からのプレゼントを一生懸命探している君が。
君に好きだと言えないオレが。
※
お題『キャミソール』
その格好でウロウロするのやめなよ。
そう言ったら彼女はうるさいなーと文句を言いつつ上着を羽織った。
まったく、こっちの気も知らないで…。
放っておくとこのまま宅配便とかが来ても平気で出ていきそうだからヒヤヒヤする。
「キャミソールは下着認定していいでしょ」
「そんなことないよ」
だめ、オレが決めた。その格好は禁止。
※
[
prev /
next ]