- ナノ -

■ SSまとめF

お題『もっと』

愛が足りない。君はたくさんの愛を注いでくれるけど、そんなものじゃオレは足りない。キスをして、二人ドロドロに溶けて、苦しくなっても君が言うんだ。

「もっと」

その時オレは求められてるんだな、って思える。
そして君の要望に答えて深いキスをする。



お題『一人にしないで』

「キルの次はお前なの?ナナコ」

オレの手から逃げていこうとするナナコを捕えると、彼女は泣き出しそうになった。

「外に行きたいのよ!離して」
「駄目だよ、外は危険すぎる。ナナコのために言ってるんだよ?」

嘘を教えてごめん。君を繋ぎとめてるのはオレの為なんだ。
一人にしないで。



お題『仕事』

家と仕事と俺のするべきことは全部殺しに直結している。だから悪いけど、ナナコにも暗殺をしてもらわないといけない。

うちは家族ぐるみだからね。君には少し酷かもしれないけれど、君だから言うんだ。

君に家族になって欲しいから、この仕事を受け入れるだけじゃなくて慣れて欲しい。
いつか一緒に仕事に行けたらいいね。



お題『君が好き』

って、言ってもどうせ信じてくれないんだろうな。

だってオレが恋だなんて、似合わ無さすぎるよ。キルにだって何も望むなと言ったのに、これじゃ兄貴として失格だ。

「好き」呟いた言葉は君に届かなかった。
「え?」「君が好き」

だから少し声を張ってもう一度伝えた。
どうしても知って欲しかったから。



お題『嫉妬』

男の嫉妬は醜い。とかいうけど醜さに関しては男女なんて関係ない。
オレは今、嫉妬していた。ナナコが旅団なんかと仲良くするから。

一体あそこにはどれだけの男がいると思ってるの。あー、殺したい。でも親父には無駄に関わるなって言われてるし。
次のクロロからの依頼は料金を三割増にしようと思った。



お題『怖いくらい優しいイルミさん』

なんでもいうこと聞いてあげる。ナナコの欲しいものならなんだってあげるし、ずっと傍にいてあげる。
苦労はさせないし、大事にもする。どんな敵が来たって絶対に守ってあげる。

だから、ね?
ここから出ないでどこにも行かないでずっとオレだけの物でいて。



お題『知らない人に着いてっちゃ駄目』

私は子供か、と突っ込んだら、中身は子供と言われた。なんだそれ、ストレートに馬鹿にされてる。

「だってナナコってお菓子でホイホイついて行きそうじゃない?」
「行かないよ!」
「じゃあオレが怪我したって聞いたら?」
「…行かないよ」

ほら、子供。行くんだろ?と言ったイルミは嬉しそうだった。




お題『抱き締めたい』

彼女はよく笑う人だ。感情が乏しいオレの代わりを務めるみたいに、どんなことでもころころとよく笑う。

「分けてよ」「いいよー」

その感情を分けて。
彼女を抱きしめてその温度に溶けている時だけ、オレも幸せな気分になれるんだ。

「抱き締めたい、ずっとこうしていたい」



お題『手を繋ぐ』

出来ればいつでも臨戦態勢に移れるように、両手は開けておきたい。
だけど彼女と離れてしまって万一のことがあったらいけないから、手を繋いでおきたい。

「手を繋ぐのも命懸けなんだね」
「いいよ、ナナコのためなら」

人殺しの手だけど、彼女は優しく包み込んでくれるから。



お題『夜更かししようか』

いつだって仕事で夜更かしだけど、たまにオフの日にナナコと起きているのもいい。
ベッドに入って手をつないでお互いの温度を感じて。
寝てしまうのは勿体無いから、今日は夜更かししようか。

「…ナナコ?」

いつの間にか寝息を立て始めた彼女に、オレはくすりと微笑んだ。



お題『片思い』

誰だよ、片思いしている時が一番幸せだなんて言った奴。
オレからしてみると、今のこの状況は拷問以上にきつかった。こんなのが幸せだなんてどんなマゾだ。

「ヒソカって普段何してるんだろう」「さあ」

ヒソカなんかのどこがいいんだか。だけどオレが気持ちを伝えたら、もう会えなくなっちゃいそうで言えない。
だって彼女はヒソカ目当てでオレに会いに来てるんだから。



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