■ SSまとめF
お題『もっと』
愛が足りない。君はたくさんの愛を注いでくれるけど、そんなものじゃオレは足りない。キスをして、二人ドロドロに溶けて、苦しくなっても君が言うんだ。
「もっと」
その時オレは求められてるんだな、って思える。
そして君の要望に答えて深いキスをする。
※
お題『一人にしないで』
「キルの次はお前なの?ナナコ」
オレの手から逃げていこうとするナナコを捕えると、彼女は泣き出しそうになった。
「外に行きたいのよ!離して」
「駄目だよ、外は危険すぎる。ナナコのために言ってるんだよ?」
嘘を教えてごめん。君を繋ぎとめてるのはオレの為なんだ。
一人にしないで。
※
お題『仕事』
家と仕事と俺のするべきことは全部殺しに直結している。だから悪いけど、ナナコにも暗殺をしてもらわないといけない。
うちは家族ぐるみだからね。君には少し酷かもしれないけれど、君だから言うんだ。
君に家族になって欲しいから、この仕事を受け入れるだけじゃなくて慣れて欲しい。
いつか一緒に仕事に行けたらいいね。
※
お題『君が好き』
って、言ってもどうせ信じてくれないんだろうな。
だってオレが恋だなんて、似合わ無さすぎるよ。キルにだって何も望むなと言ったのに、これじゃ兄貴として失格だ。
「好き」呟いた言葉は君に届かなかった。
「え?」「君が好き」
だから少し声を張ってもう一度伝えた。
どうしても知って欲しかったから。
※
お題『嫉妬』
男の嫉妬は醜い。とかいうけど醜さに関しては男女なんて関係ない。
オレは今、嫉妬していた。ナナコが旅団なんかと仲良くするから。
一体あそこにはどれだけの男がいると思ってるの。あー、殺したい。でも親父には無駄に関わるなって言われてるし。
次のクロロからの依頼は料金を三割増にしようと思った。
※
お題『怖いくらい優しいイルミさん』
なんでもいうこと聞いてあげる。ナナコの欲しいものならなんだってあげるし、ずっと傍にいてあげる。
苦労はさせないし、大事にもする。どんな敵が来たって絶対に守ってあげる。
だから、ね?
ここから出ないでどこにも行かないでずっとオレだけの物でいて。
※
お題『知らない人に着いてっちゃ駄目』
私は子供か、と突っ込んだら、中身は子供と言われた。なんだそれ、ストレートに馬鹿にされてる。
「だってナナコってお菓子でホイホイついて行きそうじゃない?」
「行かないよ!」
「じゃあオレが怪我したって聞いたら?」
「…行かないよ」
ほら、子供。行くんだろ?と言ったイルミは嬉しそうだった。
※
お題『抱き締めたい』
彼女はよく笑う人だ。感情が乏しいオレの代わりを務めるみたいに、どんなことでもころころとよく笑う。
「分けてよ」「いいよー」
その感情を分けて。
彼女を抱きしめてその温度に溶けている時だけ、オレも幸せな気分になれるんだ。
「抱き締めたい、ずっとこうしていたい」
※
お題『手を繋ぐ』
出来ればいつでも臨戦態勢に移れるように、両手は開けておきたい。
だけど彼女と離れてしまって万一のことがあったらいけないから、手を繋いでおきたい。
「手を繋ぐのも命懸けなんだね」
「いいよ、ナナコのためなら」
人殺しの手だけど、彼女は優しく包み込んでくれるから。
※
お題『夜更かししようか』
いつだって仕事で夜更かしだけど、たまにオフの日にナナコと起きているのもいい。
ベッドに入って手をつないでお互いの温度を感じて。
寝てしまうのは勿体無いから、今日は夜更かししようか。
「…ナナコ?」
いつの間にか寝息を立て始めた彼女に、オレはくすりと微笑んだ。
※
お題『片思い』
誰だよ、片思いしている時が一番幸せだなんて言った奴。
オレからしてみると、今のこの状況は拷問以上にきつかった。こんなのが幸せだなんてどんなマゾだ。
「ヒソカって普段何してるんだろう」「さあ」
ヒソカなんかのどこがいいんだか。だけどオレが気持ちを伝えたら、もう会えなくなっちゃいそうで言えない。
だって彼女はヒソカ目当てでオレに会いに来てるんだから。
※
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