■ SSまとめA
お題『妊娠疑惑で大騒ぎ』
ふと、彼女の机に目をやると体温計…ではなく妊娠検査薬。
まさかと思って手にとって見たら、よ、陽性!?
思わずぽとりと取り落とすと、ちょうど彼女が部屋に入ってきた。
「こ、ここれ…
?」「え?何言ってんの?」
それ、あんたが自分でドッキリテクスチャーで作ったんじゃん。
「あ、そうだった
」
※
お題『息子の存在』
「おやおや、美味しそうな子連れてるじゃないか
」
久しぶりにナナコに会いにいくと、見慣れぬショタが。しかも才能がありそうで期待大だ。
「ヒソカの子だからね」「えっ
!?」
「嘘よ、甥っ子」ボクとしたことが騙されるなんて情けない。
だけどおかげで閃いた。息子か、イイね。
「ナナコ、ボクと青い果実作らない
?」「キモい」
※
お題『内緒』
内緒だよ、とヒソカに言って話す。すると、面白いくらいにすぐ広まる。
だから逆に皆に伝えて欲しいことを彼に言えば、スピーカーのように皆に伝えてくれるのだ。
「内緒だよ、私結婚するんだ」
「誰とだい
?」
「ヒソカと」「えっ
?」
ほら、早く皆に報告しに行きなさい。
※
お題『恋しちゃった』
別に油断していたわけじゃない。殺すことに夢中になっていただけだ。
久しぶりの狩りで楽しかったな、と思っていたら不意に背中に衝撃が走った。
「はい、邪魔」
ボクの背中を踏み台にして、屋根の上に上がって行った女。明らかに、表の世界の人間じゃない。
ちらりと見えた横顔にドキリとした。
「…なんて美味しそうなんだ
」
一目で恋しちゃった。
※
お題『一番好きな言葉は?』
「愛、だよ
」
わりと真面目に答えたのに、ヒソカには似合わないよ、と言われた。
「もっとこう…快楽、とか殺人、とか…あ!ショタ、とか!」
「失礼だねぇ、キミ
」
ボクのことをなんだと思っているんだい。
確かにその全部が好きだけれど。
※
お題『かまってよ』
だいたいボクが絡みに行くと、彼女は鬱陶しそうな顔をする。まぁその顔がまた好きだからいいんだけれど、たまには一人で遊ぶかとトランプタワーを始めた。
だけど完成間近で壊されたタワー。
少しムッとして顔を上げると彼女も怒っていた。
「構ってよ」
可愛すぎたから怒りも飛んでいった。
※
お題『イコールラブ』
嫌よ嫌よも好きのうち。
一体誰がそんなポジティブな言葉を作ったんだろうと思うけど、現に私はその考え方をする男を知っている。
「嫌いだってば」
「好きの反対は嫌いじゃないよ、無関心だよ
」
だからね、とピエロは笑った。
「嫌いはイコールラブなのさ
」
勝手に言ってろ。
※
お題『仰せのままに』
ヒソカは私を女王様みたいに扱ってくれる。でもトランプの女王なんて想像したら、アリスの世界を思い出してバッドエンドだ。
「幸せにしてね」
「仰せのままに」
あなたなりのハッピーエンドは信用ならないけれど。
※
お題『全部頂戴』
カラフルな飴玉を君はいつもたくさん持っている。
まぁ、それが君の念に関係しているから当たり前なのだが、見た目にも楽しくてボクは手を伸ばした。
「欲しいの?」「うん
」
「何味がいい?」
ボクは彼女ごと抱きしめた。「全部頂戴」
君も君の念も素敵だ。
※
お題『ハジメテ』
わぁ、こんなところ来たの初めて!
嬉しそうにあたりを見回す彼女を見て、まだまだ子供だなぁと微笑む。
高級レストランは少しまだマナーに苦戦するようだったが、美味しいと喜んでくれた。
「ヒソカはたくさん初めてをくれるね」
「だったら今度はボクが貰ってもいいかい
?」
きょとんとした彼女には、後でたっぷり教えてあげよう。
※
お題『移り気』
ボクもかなり浮気性だけど、彼女もかなり移り気だ。イルミから苦情の電話が来た。
「お前の女から口説かれてるんだけど」
「殺しちゃ駄目だよ
」
「早く回収しに来て」
言われなくてもすぐに行く。彼女はどうせ反省しないだろう。だって同じ状況ならボクも反省しないから。
「ナナコ、」「あー、ヒソカじゃん」
でも少しは悪びれて。
※
お題『だいす、きらい!』
「好きって言ってよ
」「やだ」
「だったら大好きでもいいよ
」「余計やだよ」
しつこいから無視してたら、流石にヒソカもへこんだ様子を見せる。可哀想になってきて一度くらいならいいかな、と思った。
「だいす…」顔をあげたヒソカと目が合う。あれ、こいつ笑ってるじゃん。
「だいす、きらい!」
その手には引っかからないぞ、と言い換えたら、彼はくつくつと可笑しそうに笑った。
※
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