- ナノ -

■ SSまとめA

お題『妊娠疑惑で大騒ぎ』

ふと、彼女の机に目をやると体温計…ではなく妊娠検査薬。
まさかと思って手にとって見たら、よ、陽性!?

思わずぽとりと取り落とすと、ちょうど彼女が部屋に入ってきた。

「こ、ここれ…?」「え?何言ってんの?」

それ、あんたが自分でドッキリテクスチャーで作ったんじゃん。

「あ、そうだった



お題『息子の存在』

「おやおや、美味しそうな子連れてるじゃないか

久しぶりにナナコに会いにいくと、見慣れぬショタが。しかも才能がありそうで期待大だ。

「ヒソカの子だからね」「えっ!?」
「嘘よ、甥っ子」ボクとしたことが騙されるなんて情けない。

だけどおかげで閃いた。息子か、イイね。

「ナナコ、ボクと青い果実作らない?」「キモい」



お題『内緒』

内緒だよ、とヒソカに言って話す。すると、面白いくらいにすぐ広まる。
だから逆に皆に伝えて欲しいことを彼に言えば、スピーカーのように皆に伝えてくれるのだ。

「内緒だよ、私結婚するんだ」
「誰とだい?」
「ヒソカと」「えっ?」

ほら、早く皆に報告しに行きなさい。



お題『恋しちゃった』

別に油断していたわけじゃない。殺すことに夢中になっていただけだ。
久しぶりの狩りで楽しかったな、と思っていたら不意に背中に衝撃が走った。

「はい、邪魔」

ボクの背中を踏み台にして、屋根の上に上がって行った女。明らかに、表の世界の人間じゃない。
ちらりと見えた横顔にドキリとした。

「…なんて美味しそうなんだ

一目で恋しちゃった。



お題『一番好きな言葉は?』

「愛、だよ

わりと真面目に答えたのに、ヒソカには似合わないよ、と言われた。

「もっとこう…快楽、とか殺人、とか…あ!ショタ、とか!」
「失礼だねぇ、キミ

ボクのことをなんだと思っているんだい。
確かにその全部が好きだけれど。



お題『かまってよ』

だいたいボクが絡みに行くと、彼女は鬱陶しそうな顔をする。まぁその顔がまた好きだからいいんだけれど、たまには一人で遊ぶかとトランプタワーを始めた。

だけど完成間近で壊されたタワー。
少しムッとして顔を上げると彼女も怒っていた。

「構ってよ」

可愛すぎたから怒りも飛んでいった。



お題『イコールラブ』

嫌よ嫌よも好きのうち。

一体誰がそんなポジティブな言葉を作ったんだろうと思うけど、現に私はその考え方をする男を知っている。

「嫌いだってば」
「好きの反対は嫌いじゃないよ、無関心だよ

だからね、とピエロは笑った。

「嫌いはイコールラブなのさ

勝手に言ってろ。



お題『仰せのままに』

ヒソカは私を女王様みたいに扱ってくれる。でもトランプの女王なんて想像したら、アリスの世界を思い出してバッドエンドだ。

「幸せにしてね」
「仰せのままに」

あなたなりのハッピーエンドは信用ならないけれど。



お題『全部頂戴』

カラフルな飴玉を君はいつもたくさん持っている。
まぁ、それが君の念に関係しているから当たり前なのだが、見た目にも楽しくてボクは手を伸ばした。

「欲しいの?」「うん
「何味がいい?」

ボクは彼女ごと抱きしめた。「全部頂戴」

君も君の念も素敵だ。



お題『ハジメテ』

わぁ、こんなところ来たの初めて!

嬉しそうにあたりを見回す彼女を見て、まだまだ子供だなぁと微笑む。
高級レストランは少しまだマナーに苦戦するようだったが、美味しいと喜んでくれた。

「ヒソカはたくさん初めてをくれるね」
「だったら今度はボクが貰ってもいいかい?」

きょとんとした彼女には、後でたっぷり教えてあげよう。



お題『移り気』

ボクもかなり浮気性だけど、彼女もかなり移り気だ。イルミから苦情の電話が来た。

「お前の女から口説かれてるんだけど」
「殺しちゃ駄目だよ
「早く回収しに来て」

言われなくてもすぐに行く。彼女はどうせ反省しないだろう。だって同じ状況ならボクも反省しないから。

「ナナコ、」「あー、ヒソカじゃん」

でも少しは悪びれて。



お題『だいす、きらい!』

「好きって言ってよ」「やだ」
「だったら大好きでもいいよ」「余計やだよ」

しつこいから無視してたら、流石にヒソカもへこんだ様子を見せる。可哀想になってきて一度くらいならいいかな、と思った。

「だいす…」顔をあげたヒソカと目が合う。あれ、こいつ笑ってるじゃん。

「だいす、きらい!」

その手には引っかからないぞ、と言い換えたら、彼はくつくつと可笑しそうに笑った。



[ prev / next ]