■ SSまとめB
お題『監禁していいよね?』
それは疑問や確認というより、命令だった。
私を枷に繋いだ彼は、やっと安心したというように息を吐く。
「嫌だって言われたらどうしようかと思ったよ」
拒否権なんか初めからないくせに、よく言うよ。
「…まぁでも、大事にしてくれるならいっか」
こんな私だからこそ彼と付き合える。
監禁していいよね=ニートでいいよね。
※
お題『ぎゅっ』
抱きつかれるのと抱きつくの、どちらが好きかといえば断然後者だ。
だって抱きつくのは自分のタイミングだけど、抱きつかれるのは「ナナコ」ほら、いつだってお構いなしだ。
ぎゅっ、と抱きつかれて非常に苦しい。
「食事中くらいは離れてよ」「やだ」
まったくこの人は…
二人羽織でもやるつもりか。
※
お題『なでなで』
頭を撫でられるのは好きじゃない。何故かというと癖っ毛だからだ。
そしてサラサラストレートのイルミに撫でられると余計に辛かった。
「絶対自分の方が気持ちいいのに」
「そんなことないよ、なんだっけあの犬」
私は犬か、とぼやいたらプードルだ、とイルミが手を打つ。
「そう、ちっさいの。Tバックプードル」
そんなエロい犬はいねぇ。
※
お題『倒れる』
ふらり、と目眩がした。
あ、そういやもう三ヶ月くらい寝てないかも。
心配そうにナナコが顔を覗きこんできたから、そのまま目眩のせいにして押し倒した。
「わっ、イルミ!?」「ごめん、ちょっとふらっとしてさ。このままいさせて」
彼女を抱き枕がわりにベッドへと倒れ込む。
今日はゆっくり眠れそう。
※
お題『永久就職』
「またクビになったー」
駄目だ、これは本格的に人として駄目。何をやっても続かない。要領悪いしドジだし、すぐに見限られてしまう。
「じゃ、うち来る?」
「無理だよ、イルミんちなんて超厳しいじゃん」
ゾル家メイドなんてエリート過ぎて無理。今後どうしようと頭を抱えたらイルミが違うよ、と言った。
「オレのお嫁さんに永久就職しない?」
※
お題『善悪なんてわからない』
Amb設定
「イルミは悩んだりしないの?」妹の一言に首を傾げる。
善悪がどうとか情事中に話す内容だとは思えないんだけど。
「オレにとって良いことが善いことだよ」
「…自己中だね」「そう?」
だって自分以外の物差しをもってないのに測れるわけないじゃないか。
きっとオレだけじゃない。
誰にも善悪なんてわからない。
※
お題『添い寝』
「変なことしたら殺すからね」
自分で添い寝してくれと言い出したくせに、なんたる勝手。第一、ナナコごときに殺されるほどこちらもヤワじゃない。
「わかった」オレとしては年頃の男女が同じベッドで寝て、何も起こらないほうが変だ。
「殺してみなよ」
※
お題『最近嫁の様子がおかしい』 TS結婚当初設定
「イルミ、肩揉んであげようか」
その一言でオレの疑惑は確信へと変わる。おかしい。絶対何か隠してる。
こんな優しい妻をもらった覚えはない。
肩に手を置いた彼女を、そのまま背負い投げの要領でベッドへと強制送還した。
「うわっ!ちょ!」「オレがシてあげるよ」
ついでに色々と聞きたいことがあるんだ。
※
お題『そんな君が大好き』
「またオレの服がない…」
犯人はわかってる。あいつだ。
案の定彼女のクローゼットを開けると、そこにはオレが着たYシャツやら何やらがびっしりとあった。
「あー、それ!」だってイルミが長期の仕事でいない時、寂しいんだもん、そう言ってうなだれる彼女。
「嗅ぐの?」「うん」
「変態」
とか言いつつそんな可愛い君が大好き。
※
お題『オレって結構性欲強いんだよね』
「イルミって何回くらいヤるの
![](//img.mobilerz.net/img/i/63729.gif)
?」
そんな下世話な話を直球で振ってくるのは変態奇術師しかいない。
イルミ怒るだろうなーとちらりと視線をやれば、意外にも彼はけろっとしていた。
「オレって結構性欲強いんだよね」
ね?と同意を求められて、何言ってんのこいつ!?と焦る。
「大変だねぇ、ナナコ
![](//img.mobilerz.net/img/i/63728.gif)
」
お前らデリカシー無さすぎ死ね。
※
お題『本当は好きなんだ…(悲恋)』
「あ、これ」彼女が差し出したのはどう見てもラブレターで、思わずオレはドキリとした。
「頼まれたの。でもその子美人だしお薦めだよ」
「…いらない」「そう」
呆れたように笑う彼女の鈍感さに少し腹が立つ。
「イルミも早く結婚しなよ、楽しいよ結婚」「いい」
本当は好きなんだ、って言えたらよかったけど、ずっと機会を逃し続けてここまで来ちゃった。
※
お題『下心見え見え!』
「疲れたね、休む?」「はい?」
よもや天下のゾルディックさんから『疲れた』なんて聞ける日が来るとは。
しかもまだデートが始まって30分も経ってない。
「休もうか」「疲れる要因がない」
「いや、疲れたと感じたときにはもう手遅れだから」
「あんたの頭が手遅れだよ」
なんでこんなに下手くそなの。下心見え見え!
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