- ナノ -

■ フィンクスp,31

お題『意外と女々しい君が』

「それでよ、ナナコの奴が俺にむかって『出てけ!』って言ったんだ、俺の部屋なのによ」

何気なくホームに行ったら、中からフィンの声。
あいつ、男の癖に愚痴ってんの?
見かけによらず女々しいなと思い、聞き耳を立てた。

「でもよー、そこがまた可愛いんだよな」
「惚気はよそでやるね」

フェイごめん。



お題『かっこいい』

「だっせぇ」

彼の正装は皆と一味違う。民族的な帽子が特徴的で、そのため周りからはよくからかわれていた。

「そんなダサいかよ」

ぼやきつつも彼は帽子を取らない。だってそれは誇りだからだ。他人にどう思われようと、彼にとっては大事なものだから。

「かっこいいよ」

私が微笑むと、彼は照れくさそうに深く帽子を被った。



お題『ご飯』

「ご飯ですよー」「おー、メシメシ!」

声をかけると一番に飛んでくるのはいつもフィンだ。そして美味い、と感想を言ってくれるのも彼だけ。

「これからはフィンだけにご飯作ろうかな」
「…お前っ、それ…」

言ってから気がついた。これって逆プロポーズじゃん。

「た、頼んだ」「…うん」

恥ずかしい。




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