■ フィンクスp,31
お題『意外と女々しい君が』
「それでよ、ナナコの奴が俺にむかって『出てけ!』って言ったんだ、俺の部屋なのによ」
何気なくホームに行ったら、中からフィンの声。
あいつ、男の癖に愚痴ってんの?
見かけによらず女々しいなと思い、聞き耳を立てた。
「でもよー、そこがまた可愛いんだよな」
「惚気はよそでやるね」
フェイごめん。
※
お題『かっこいい』
「だっせぇ」
彼の正装は皆と一味違う。民族的な帽子が特徴的で、そのため周りからはよくからかわれていた。
「そんなダサいかよ」
ぼやきつつも彼は帽子を取らない。だってそれは誇りだからだ。他人にどう思われようと、彼にとっては大事なものだから。
「かっこいいよ」
私が微笑むと、彼は照れくさそうに深く帽子を被った。
※
お題『ご飯』
「ご飯ですよー」「おー、メシメシ!」
声をかけると一番に飛んでくるのはいつもフィンだ。そして美味い、と感想を言ってくれるのも彼だけ。
「これからはフィンだけにご飯作ろうかな」
「…お前っ、それ…」
言ってから気がついた。これって逆プロポーズじゃん。
「た、頼んだ」「…うん」
恥ずかしい。
※
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