勘違い


俺、食満留三郎は町に久し振りに出掛けにいった。
今週にある授業で必要な物を買いにいくため、ブラブラと。
それと、恋仲である文次郎に何か甘いものでも、と思って。
ある甘味処に寄ると…。




そうしたら何だ。
嫌な光景が目の前に広がった。







「ほら、文次郎君もっと食べて良いんだよ?」

「い、いえ、利吉さんに悪いですし!!」







ニコニコと笑いながらお茶を共に話し合っている俺の恋人と恋敵である利吉さん。
ゴゥッ!!と怒りの炎が湧き上がりながら近くの草むらに身を隠し、二人の様子を見る。







「いつも会って頂き、いつも甘味処で奢って貰って本当、申し訳ありません…。」

「なあに、これ位。いつか出世払いしてもらうさ。」

「そ、そんなぁ!す、すごい大金になってしまいます!!」

「アハハハッ!冗談だよ!」








え、何あれ。
俺を差し置いてなんで文次郎あんなに楽しそうなの?
てか、いつも会ってるってどゆこと?
え、本気で何なんだあれ。








もう、どーにでもなりやがれ!
文次郎のバーカ!!





憤怒に任せて俺は学園に戻った。









…………




何だか留三郎がこの頃素っ気ない。
話しかけてもすぐに何処かに去ってしまう。
モヤモヤとしていつも利吉さんに稽古を付けてもらっていたが悩み、休んでいる。

ハァーッと溜め息を吐けばポンッと頭に誰かの手が置かれた。
後ろを振り返れば不服そうな顔の仙蔵が立っていた。
何だ?と首を傾げればすごい勢いでチョップをかまされた。






「今日で何回だ、その深い不快な溜め息は。」

「仙蔵…………ギャグが寒いぞ。」

「知らん、何か留三郎とあったのか?私が聞いてやろう、早く話せ。」






偉そうにぎゃいぎゃい言っている仙蔵に再び溜め息を吐きそうになりながらこれまでのことを話した。
一通り話し終わって仙蔵の顔を見れば呆れ返った顔をしていた。






「お前、それは留三郎も怒るだろうよ。」

「な、何でだよ!」

「考えてみろ、お前が留三郎の立ち位置になってだな、もし留三郎がお前に何も言わず前まで恋敵だった奴と留三郎が毎日の様に会っていたらお前はどう思う。」

「ううん………一言位何か言ってくれても良いんじゃないのかとか思って怒るだろうよ。」

「そうだろう?そう言うことだ。」

「じゃ、じゃあ留三郎は俺が浮気でもしていると勘違いを!?」







何度も頷く仙蔵を見て急いで留三郎のもとにへと走った。

奴は用具倉庫にいて、何やら修補している。
後ろ姿だけだが、ピリピリとした雰囲気だと分かる。





「と、留三郎…………。」

「何の用だよ…………。」






素っ気ない返事で、胸が痛む。
肩を叩こうと思って手を出すとバシッとはね返された。






「さわんなよ…………。」

「留三郎、誤解なんだ!俺は、」

「聞きたくねえよ!!」






聞いた事ない程の大声で怒鳴る留三郎を初めてみた。
そして、どうも思い通りにいかない考えに、涙腺が緩む。

何度も留三郎、留三郎と呼びかけ、その場に座り込む。
床に水が滴り落ちる。

何か情けなく、顔を伏せて涙を拭っていたが、いきなり留三郎に抱き締められた。





「あー、もー、反則だろ!」

「と、とめ…………。」

「事情はさっき伊作から聞いたんだ、けど何か腑に落ちなかったからつっけんどんな言動してた!!」

「ごめん、ごめんな。」

「俺が勝手に勘違いしたんだ、俺の方こそ、ごめん!」






久しぶりに留三郎に触れられ、とても嬉しかった。
俺も、留三郎から縋るように抱き締め返す。









勘違い
(これからは二人とも最初に確認しようと決めたのであったのだ。)






--以下コメント--

うあああああああああああああ萌え禿げるるるる(//´д⊂)
あそこで泣かれるとか私ならソッコーで押し倒します!!!(←黙れ)
でもヘタレなしょくまんも好きだ!!!
『浮気勘違いからの仲直り』とリクエストさせていただいたのですがまさにドストライクでした(*⌒▽⌒*)ホクホク
犬猿かわいいよ犬猿←
本当にありがとうございます//
これからもよろしくお願い致します♪
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