何かが弾ける音がした。
「また失敗したの」
部屋を覗けば黒煙が上がっていて、何かが焼け焦げたようなそんな臭いがした。
床中に散らばる砕けたフラスコの上を歩けば、その度に私にとって心地の良い音がした。
「言葉遣いに気をつけろ」
「あらごめんなさい、また失敗なさったんですかマスター」
「***、お前」
振り向いたマスターが私を睨み付けた。
彼をいちいち不快にさせるのが私の唯一の楽しみだった。
だってこの島、他に何もないんだもの。
「何の用だ」
「お茶が入りましたけど飲みますか」
「持って来い」
「はい」
今から持ってくるお茶には昨日あなたが作っていた紫色したおかしげな液体を入れるけど気付いてくれますか、マスター。
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