重鎮出勤な王子様
【黒兎の神託】ゆつき様宅の『Σ』とのコラボ


「…ども、」

『あ…遅いっすよ棗さん、約束の時間は―…』

「のこのこと現れましたね青二才っ!!よくもまぁ私の前に―…!」

「はぁっ!!!」

「ぐはっ!!!?」

「げっ」

『おぉう…!』



久々の重鎮訪問出社をした棗さんと、それを迎えた私

そしていきなり喧嘩を売った明智部長と、出会い頭に彼の弁慶さんの泣き所へ一撃を加えた小さな男の子

…………。



『…あは、今日も平和っすね』

「相変わらずのマイペースっぷりに安心したぞナキ嬢」

『私的にはせめて社長出勤して頂けると助かるんですが棗さん』

「棗様に頼み事など恐れ多いぞ女!」

「佐吉…」

「う゛…で、出過ぎた真似を…申し訳ありません…!」

「ん、いい子」

『素直だねー、佐吉くん』



棗さんに撫でられ恥ずかしがる自称・式神さんな男の子、佐吉くん

うちの可愛い佐吉くんに瓜二つだが、別物らしい考えるのも面倒だ



「ぐっ…!い、いつの間にナキさんの息子を手懐けたのですか…!」

「あー…400年とちょい」

『面倒だからって適当に答えないでくださいよ』

「ヒヒッ、あながち間違いでもなかろ」

『あ、こんにちは紀之介くん。今日は君も一緒かい』

「うむ、はるばるよ」

『あはー、会いに来てくれたんだね嬉しいよ』



棗さんの後ろからひょっこり現れたもう一人の男の子、紀之介くん

彼は佐吉くんに比べて愛想がいい。ただ棗さんはいつも「猫かぶんな」って言ってる



「…貴方の息子ですか?」

「ああ、それでいい」

『いや、だから適当に返事しないでくださいよ。部長が勘違いしますよ?』

「…コイツと話すだけで肩が凝る、流すのが賢いんだよナキ嬢」

『そりゃまぁ…流石です、私より部長の扱いを心得てますね』

「それはつまり私のことをもっと知りたいのですねナキさんっ!?」

『勘違いうぜぇ』

「気持ちは重々承知だが、女がその顔は止めろ」

『ういっす』



貴方がちゃんと出社してくれれば済む話なんですがね…まぁ棗さんは棗さんで何か理由があるらしいけど

もしかして自称・式神な彼らも、あながち嘘じゃないのかも



「ふふふ、私はナキさんのどんな表情も好きですよ。私を知りたいのなら言ってくれればいいのに」

「…前よりしぶとくなってねぇか?」

『ゴキブリ並の耐性持ち主なので』

「さぁ!私を暴いてくださいナキさん、むしろさらけ出しますっ!!」

「よし、任せろ。俺が三枚に下ろしてやる」

「棗様のお手を煩わせずともこの私が!」

「ヒヒッ、ぬしではミンチにしてしまうであろ。まぁ止めておけ」

『あはー、3枚下ろしとか私じゃ無理っすね。できて3等分です』

「十分だろ」

「…淡々と酷いことを言いますね、貴方たち」



珍しく明智部長がツッコミに回った…やっぱり彼が来ると雰囲気がガラリと変わるな

出勤日、増やしてくださいよと睨んでも棗さんは笑ってスルーする



「まぁあれだ、ナキ嬢もさっさと寿退社するんだな」

『嫌味っすか、それ嫌味っすか、さすがに棗さんでも張り倒しますよ』

「貴様ぁっ!!棗様に手を出すならば私の屍を越えてからにしろ!」

「止めろ佐吉、そうだな…うちの居候、一匹二匹、紹介してやろうか」

『ぜひっ!!!』

「…言っとくがガキは佐吉と紀之介だけだぞ」

『あ…じゃあ遠慮します』

「あからさまに嫌そうな顔すんなって」



まぁ、いくらナキ嬢でもあいつらは荷が重いか

そう呟いた棗さんだが…果たして我が家の武将以上に重いものがあるのだろうか







「…で、どうだ?不器用だがいい女だぞ」

「いや、どうだって女を紹介されても困るんだけど棗の旦那…」

「不満か?料理も掃除も苦手だが腕っぷしは確かだ」

「それ聞くと尚更遠慮したいんだけど」

「…佐助は理想が高いな」

「そういう問題っ!?」






『…でね、久々に会えたし部長はノックアウトだし…て、どうした思春期忍者』

「…別に」

「ヒヒッ、ぬしがまた新たな男の名を言うから拗ねて居るのよ」

「そんなんじゃない!べ、別に気になってなんか―…!」

『棗さんみたいないい男いないかなぁ』

「!?!?!?」

『あ、反応した』

「ヒヒヒッ!!解りやすい男よな!」

「〜〜っ!!!」

『…しかし紀之介くん、可愛かったなぁ…ありゃいい男になるよ』

「ヒッ……」

『ん?どしたの刑部さん』

「…いや、何も」







20130914.
あばばばば、我が家の一周年記念で頂いてしまいました!
闇属性ぱーりぃ素敵!佐助がツボです!
ゆつき様、ありがとうございました!
掲載するのが遅くなり申し訳ありません
これからもよろしくお願いします、


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bkm


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