文 | ナノ

「む、蒼夜でかけるのか?」


上着を着てマフラーを巻いて廊下を歩いていると向かいから元就が何冊か本を持ってやってきた。


「いや、出かけはしねぇけど弓道場の方に行ってくる」

「…結局出かけるのではないか」

「自分んちの敷地内でも出かけるっていうのか」

「一旦敷地内から出るのであれば外出に入るだろう」

「じゃあ出かけるでいいよ。帰りになんか買ってくるわ」

「我はえくれあぞ」

「お前昨日シュークリーム食ったろ」


絶対こいつ老後太る。…太った元就とか想像つかねぇけど。






白い息を吐きながら弓道場を目指していると後ろから誰かが走ってくる気配がした。


「蒼夜!」

「蒼夜さーん!」


振り返ればこちらに走ってくる頭が二つ。


「なぁ、蒼夜!今日はどんくらい教えてくれんだ?」

「その前に挨拶ですよ!こんにちは蒼夜さん!」

「あぁ、元気そうだな」


蘭丸、鶴姫。
頭をくしゃくしゃとかきまぜればわっ、と声を上げるこの二人。
うちの弓道場の常連だ。

俺が教えている弓道場教室以外では解放していない弓道場だが、こいつらには特別に貸している。
この辺で弓道場はうちしかねぇからな。
まだ中学生である二人だが、弓のセンスはとんでもねぇ。
大会なんかにでたら優勝は間違いないだろう。


「なんだか蒼夜さんに会うのがとても久しぶりな気がしますね!」

「最近蒼夜弓道場に来ないからだぞ!」

「悪ィ。今日はちゃんと見てやるぞ」

「へへ!練習してない蒼夜なんて蘭丸がすぐに追い越してやるからな!」

「まぁ!私だって負けません!!私がビシッ☆と蒼夜さんを倒しますよ!」

「おー、頑張れ頑張れ」


きゃいきゃいじゃれてくる二人に武将たちのせいで荒んだ心を癒してもらう。


…どうせ落ちてくるんだったら子供が良かったなぁ





†子供†

(蒼夜さん、私短弓もやってみたいんです!)
(短弓?なんだ、鶴姫お前狩りでもやるのか)

(見ろよ蒼夜!的中したぞ!)
(おーよくやったな蘭丸)

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