文 | ナノ

「蒼夜殿は何か武術を嗜まれているのでござるか?」

「はぁ?」


いきなりの質問に変な声がでた。
なんなんだ。いきなりどうした。


「蒼夜殿の足音が聞こえないのでござる」

「あ、それ俺様も思った。あと背筋とか。なんかやってるでしょ?」

「あー…弓道と…柔道を少しかじったくらいだな」


「きゅうどう?じゅうどう?」

「弓の道で弓道。柔らかい道で柔道」

「弓道は弓だよね?じゅうどうってなに?」

「簡単に言えば武器を持たない接近戦だな。確か書庫に…」

「こちらでございますか蒼夜様!」


書庫に本があったはず、と続けるはずだったが佐吉が本を持ってきた。
……本当にこいつ行動が早すぎるだろ。
悪いことではないが。むしろ助かっているが。


「へぇ、武器なしなんだー」

「仕事で武器がなくなった場合も考えてな。高校まで習っていて今も暇があれば佐吉や紀之介に教えている」

「蒼夜様は強い」


何故か誇らしげに言う佐吉に思わず頬が緩む。


「興味があんならそれよんでいいぞ。相手はぜってぇしねぇがな」

「なっ、何故でござるか!?」

「何で戦国武将と組み手なんかしなきゃならねぇんだ」


冗談じゃない。
かなりの確率で無事には済まない。
俺の道場が。




†武術†


(hey蒼夜!お前武術出来んだってな!Let's party!)

(Let's not)

(what!?なんでだよ!)

(なんでもだ。そして情報元であろう赤、お前甘味無し)

(いやでござらぁああああ!)

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