文 | ナノ

「……予想通りというか」

「ヒヒッ、われは何もしておらぬ」

「ああ、本当に何もしてねぇな」





籠にいれられた部屋着。

カラフルなのは予想できた。
そして多少ズレたものになるだろうと。





「蒼夜殿!しっかり役目果たしましたぞ!!」

「あはー…」





全部虎の絵がついてんだよな。





「お前な、確かに任せると言ったけどこれはねぇわ」

「なっ、何故にござるか!!」

「全部虎じゃねぇか」

「うむ!お館様の…」

「政宗達が黙ってねぇだろ」

「あ」





紅と迷彩以外の部屋着(パーカーっつったか?)を取り出し無地のものに変える。

しゅんとした幸村の頭をかきまぜる。




「ま、色は選んでくれたからな。ありがとな」





そういえばにぱぁと笑った幸村。現金な奴だな。




「というか佐助止めに入れよ」

「止めに入ろうとしたけどさ…」

「ヒヒッ、虎若子は聞いておらなんだ」




……想像つくな。







さっき買った荷物を取りに行ってから店を出る。
ちなみに歩きだ。




行きと同じよう色んなものに興味を持つようだが突っ込んでいかない幸村に少し安心しながら家路を辿る。



「……」(シュタ)

「お、北条のお孫さん」

「「風魔ぁ!?」」

「……?(こてん)」




ばったりあったのは赤毛の体格のいい兄ちゃん。
彼が持っている買い物かごを見て頷く。



「また北条のじいさんぎっくり腰か?」

「……」(コク)

「年なんだから気ぃつけろって言っとけ。後で様子見に行くか?」

「……」(コクコクコク)

「え、ちょっと待って!何で蒼夜の旦那そんなに仲良さげなの!?」

「あ?」




いやだってご近所さんだし。






†そら似†




(ほぉ、お前等の世界の風魔小太郎もあんな感じなのか)

(え、じゃああいつ…じゃなくてあの人の名前も風魔小太郎なわけ!?)

(ああ)

(な、なんと摩訶不思議な…)

(ていうか紀之助教えろよ)

(ヒヒッ、われは風の悪魔の顔を見たことがなかったのでなァ)


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