文 | ナノ

「う゛…」


「あ、気がついたかい?」


「………あれ?」





蒼空が体を起こすと頭がずきずき痛んだ。






「まだ痛いかい?とりあえずこれで冷やしなよ」


「あ、ありがとうございます。えっと、なんで…」


「君は官兵衛君に激突されて頭を打ったんだよ」


「え゛」





見てみなよと笑いながら言われてそっと隣の部屋の扉をあけて見てみると。






「官兵衛!さっさと頭を垂れろ!」


「何で三成に謝んなきゃいけないんだよ!あの子に謝るからどけろよ!」


「許可しない!!貴様に会わせればまた怪我をするだろう!」


「怪我をさせるのが前提なのか!」





そっと扉を閉めて半兵衛と顔を合わせた。





「どういうことでしょうか」


「官兵衛君を怒っているね」


「あれ怒ってるで片づけていいんですか!?」





木刀持ってましたよ!?と蒼空が叫ぶように言うが半兵衛は笑うだけ。
これがここの日常らしい。
哀れ、官兵衛。





「君が起きなくて凄く心配していたからね三成君」


「三成くんはとても友達思いですね!!」





蒼空は隻眼の目をキラキラさせて半兵衛をみる。

半兵衛は一瞬面食らった顔をしたが次の瞬間に吹き出した。





†怪我†



(あはははははっ!三成君も大変だねぇ!)

(え、それは私みたいな奴が友達だからですか!?)

(ふふふっ、蒼空君、僕を、笑い殺さな、いでふふっ、くれたまえよ)

(なんでそんなに笑ってるんですか!?どこにツボがあったんですか!?)

(ふっ、なんでも、ふふっ)

(どうしよう。半兵衛先輩がわからない)


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うちの半兵衛さんは笑い上戸です。

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