文 | ナノ

「おい、行くぞ」


「え?」





どこへ?と聞く前に、蒼空が三成に引きずられるように連れてこられたのは『生徒会室』と書かれたプレートがさがったどでかいドアの前。

慌てふためく蒼空の腕をつかんで三成は部屋に入る。





「失礼します」


「やあ三成君……おや?もしかしてその子が……?」


「はい。……おい、挨拶しろ」





三成に背を押されて訳も分からぬまま蒼空は紫のメタルフレームの眼鏡をつけた男子生徒の前に立った。






「えっと…三成くんと同じクラスの邦坂蒼空です」


「君が邦坂蒼空君か。僕は3年の竹中半兵衛。三成君とは幼い頃からの知り合いなんだ」


「わあ、そうなんですか!竹中先輩ですね。よろしくお願いします」


「ふふっ名前でかまわないよ。僕も名前で呼んでもいいかい?」


「もちろんです!」





自己紹介を終えたところで蒼空は三成の顔を見上げる。





「三成くん?どうして私をここに?」


「僕が頼んだんだ。三成君や家康君が一緒にいる女の子と話してみたかったんだ」


「え、そんな大した人間じゃないです。むしろこんなんですみませ
ん」







45°の綺麗なお辞儀をみせた蒼空に半兵衛は吹き出した。






「三成君が懐くのもわかるよ。……そこでなんだけど」


「え?っうぎゃっ!!」





半兵衛が言い掛けたのを聞こうとしたとき、ドアが開き、勢いよく入ってきた人に蒼空は吹っ飛ばされた。






†生徒会†

(半兵衛!何で小生がこんな事を)

(かぁあぁぁああんべぇぇええええ!きっさまぁぁああああ!!)

(ぎゃぁ!何しやがる三成!)

(蒼空にぶつかっておいてなんだその態度は!さっさと謝れ!許しはしない!)

(謝っても許されないのか!!)



(蒼空君大丈夫かい?)

(…………(ぐるぐる))

(………大丈夫じゃないみたいだね)

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