文 | ナノ

「蒼空ーーーー!!!!」


「いやぁああ!ごめんなさい三成君んんんんん!」




チャイムが鳴って戻ると案の定、蒼空は三成に怒鳴られた。





「寝坊するなとあれだけ言っただろうが!」


「ハイ…」


「夜遅くまで勉強をしていた点は認めてやる。だが寝坊は許さない!」


「まぁまぁ三成、蒼空も反省しているんだからいいじゃないか!」


「良くない!貴様は黙っていろ!漸滅するぞ!」




いつもの2人の喧嘩(といっても三成が一方的に食いかかっているだけ)が始まったとき、タイミング良くチャイムが鳴った。





これでも寝坊をしてしまったのには反省をしている蒼空。ショボンと肩を落としながら授業を受ける。


すると前と隣からぽとりと紙が投げられた。




『言い過ぎた。これから気をつけろ』


『三成も悪気があるわけじゃないんだ。蒼空が来ないと心配していたからな!』





蒼空は目を見開かせる。

家康はちょくちょく授業中にちょっかいを出してくる。だから解るが、三成はこういうことをするタイプだとは思えない。

むしろ咎めるタイプだろう。


その三成が、だ。





「ふふっ」




『ううん。これからは気をつけます』


『うん、ありがとう家康君』





蒼空は教師がこちらを見ていないうちに前と隣に紙を投げた。




未だにクラスメイトとは仲良く…いや、接触できていないが、この2人がいるならいいか。

板書しながら蒼空の口元には笑みが浮かんでいた。





†感謝†


(蒼空貴様ァァアアア!私は家康ではない!)

(あ゛、間違えた)

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