文 | ナノ

此処に来てから数刻程度しか経ってはおらぬが、こやつ等三人の言動を見ておれば自然と答えにたどり着く。

しかし、本当にそうだとは思わなんだ。






「まて、こちらとあちらでは、世界が違うのであろう?ならば何故こやつらはこちら側のそなたの式神となった」


「さぁ?俺は裏の山にでっかい霊力を感じて行ってみたら半悪霊化していたこいつ等がいたから浄化しただけだ」


「浄化……」


「そのあとやりとりをしてめでたく、式神ゲットとなったわけ」


「そのやりとりが気になるんだけど」




甲斐の忍びが笑顔を張り付けながら問うが、邦坂は聞こえないふりをしている。






「とにかく、お前等は俺が陰陽師だということ、言霊は大事だということを覚えておけ」


「む、了解いたした!」


「おー素直な奴は嫌いじゃねぇぞ」





わしゃわしゃと虎若子の頭を撫でる…というよりかき回しているが正しいか。
……我の目には犬とその飼い主にしか見えぬ。






「さてと、飯も食ったし、説明もした。次、風呂な」


「ふろ…?」


「湯浴みよ、ユアミ」


「めんどくせぇから全員で入るぞ。おい佐助、どこに行く気だ」


「やだっ!俺様忍!一緒なんて無理!」


「我が儘言うな。佐吉、シールタイプの眼帯あったろ。あれ持ってきてくれ」


「かしこまりました!」






猿飛の襟首を掴み石…佐吉に指示する邦坂。
猿飛がかわせぬとは一体どんな腕力をしておるのだ…


長曾我部や伊達、片倉も顔を曇らせておる。が、おそらく佐吉に取りに行かせたしぃるたいぷとやらの眼帯があれば平気なのだろう。



他人への気遣いなど知らぬような態度のくせに細かいところまで気を配っている。

何とも不思議な男よ。



しばし、世話になるぞ。
蒼夜────






†気遣い†



(だぁ!いい加減にしろ!一緒に入んなかったらいつ入る気だ、あ゛ぁ?)

(入んなくていいよ!川とかで…)

(水浴びをしたら家に入れねぇ)

(なんで!?)

(いいからおとなしく入れ!眼帯組は佐吉から受け取ったらそれつけろ。付け方は書いてあんだろ)

(おい、蒼夜!政宗様は…)

(うるせぇ、全員で入る。俺が決めた。異議は認めねぇ)

(どこの暴君だよおい!)

(わめくな姫若子。世話になるのだ。それくらい従わぬか)

(そうだそうだ〜もっと言ってやれ元就。そして姫若子の理由を後で教えろ)

(ああ)

(止めろテメェ等!俺で遊んで楽しいか!?)

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