文 | ナノ

「あ゛ーーー!!やってしまったぁぁあ!」




登校時間は8時半。

只今の時刻、8時40分。


完 全 遅 刻 !!




「これは完璧に三成君に漸滅される感じだよね…」




急いで準備をして家を出たが学校に着いたのは9時過ぎ。
昇降口で時計を見た蒼空は深くため息をついた。



「…二時間目からちゃんとでるよ。うん、そうしよう」




誰にともなく謎の宣言をした蒼空は階段を上って屋上を目指す。




「やっぱりサボリの定番と言ったら屋上だよね!」





学校というモノを知識としてでしかしらない彼女は意気揚々と屋上へ向かう。





そして扉を開けると、



ゴチン




「い゛ッ!?」


「だっせぇな政宗!だからそこは危ねぇって言っただろうが」


「あははは!漫画みたいな事があるんだな」





開けた先には先客が居たようで、ドアが男子生徒の頭に当たってしまったようだ。
頭を抱えたまま悶絶する男子生徒に蒼空は慌てて屈む。





「ごめんなさい!まさかこんな時間に人が居ると思わなくて…。血、でてないですか?」


「ouch…」


「あ?蒼空じゃねぇか!」


「え?」




名前を呼ばれて顔をあげると見覚えのある銀髪と眼帯。




「姫親先輩!」


「元親だッ!それより何してんだこんなところで」




授業中だろ、と言われ蒼空は、あははと頬を掻く。
寝坊した旨を伝えると元親の後ろにいたポニーテールの男子が爆笑した。




「面白いね君!あ、俺二年の前田慶次!んで頭抱えてるのが」


「伊達政宗だ……」


「邦坂蒼空です。本当にごめんなさい。よかったらこれで冷やしてください」




弁当の保冷剤をハンカチでつつみ、政宗に差し出した。




「thank you」


「your welcome…発音綺麗ですね」


「あん?テメェもなかなかじゃねぇか」





†屋上†


(先輩たち何やってたんですか?)

(あーあれだ。積極的休養?)

(サボタージュじゃないですか)

(蒼空ちゃんだって寝坊でサボタージュじゃんか)

(それは言わないお約束です前田先輩!)

(あ、なんかそれイヤだ!名前で呼んでよ)

(けーじ先輩!)




(おい、オレはairか)

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