文 | ナノ

「陰陽師ぃ!?」


「んだよ、お前等んとこにもいただろ?」


「いや、確かにいたけどよぉ…」




元親が素っ頓狂な声を上げた。
んだよ。こっちまで吃驚すんだろうが。





「それは大谷が「今は紀之介よ」……紀之介がそなたのことを”主”と呼ぶのに関係があるのだな」


「疑問じゃなくて断定か」





まあ正解だけどな。





「ah?じゃあ式神とかもいんのか?」


「…」




勘よすぎだろ。伊達政宗だけに伊達じゃねぇってか





「しきがみ?とは何でござるか?」


「俺も聞いたことはあるが詳しくはしらねぇな」


「Ha!そりゃあ鬼は退治される方だからな」


「んだとゴルァ!言い値でその喧嘩買ってやらぁ!」


「ちと黙れ」




紀之介が数珠を騒いでいる眼帯2人にぶつけた。

ちなみに佐吉は暴れそうだったのであらかじめ口をふさいで手をおさえている。





「そっちの陰陽師と大した違いはないだろうが…大体の陰陽師は言霊を重要視する」




負の言霊は負の気を呼ぶ。逆もまた然りってな。
これは一般人の中でも浸透してるよな。




「その中でも大切なのが名前だ」


「それがよく分かんないんだよね〜」


「名前は生まれてから一番最初に与えられ、死ぬまで自らを縛る宝だ」




ヒトならざるモノに応えてはならない、名を名乗ってはならない。これ、鉄則な。





「……それがこのものたちを幼名で呼んでいる理由か?」


「ああ」




元就のほぼ断定の疑問に首肯する。
すると、政宗ががしがし頭をかきながら尋ねてきた。





「あ?じゃあ結局のところ、蒼夜は式神いねぇのか?」


「ヒヒ、目の前にいるであろ」


「…………………は、」

「あらためて紹介してやんよ。佐吉と紀之介。俺の式神」



てん てん てん






「「「「「「はぁぁああ!?」」」」」」




†式神†


(もうマジで意味が分からない……)

(某にもよく分からないでござる……)



(なるほどな。だから貴様は蒼夜のことを主と呼ぶのか)

(ヒヒッ正解よ、セイカイ)


(…………)ぽかーん

(Oh…小十郎、大丈夫か?)

(…放心するな、右目)


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