文 | ナノ

「あ、あった。私一組だ」


「市…二組」


「ありゃ、離れちゃったね」


「これも全部…市のせい」


「お市ちゃんのせいじゃないよ!クラスの人いい人だといいね〜」


「市には…蒼空がいるから…いいわ」


「っ、」




可愛すぎるよお市ちゃん!

思わず蒼空は市に抱きついた。
市も嬉しそうに受け止める。




「隣同士だから体育とかは一緒だと思うし、ね?」


「休み時間…会いに…いってもいい?」


「もちろん!」




ほら行こ?と蒼空は市の手を引っ張る。
市もこくりと頷き蒼空について行く。





「ふふふーいっぱい友達作ろうね!」


「…市に友達なんて…できるの、かしら…」


「大丈夫だよ!だってお市ちゃん可愛いもん!」



でも、男の子とは仲良くしすぎちゃ駄目だよ?


真剣な顔をして言う蒼空に市は首を傾げた。




「どうして…?」


「お市ちゃんには長政さんがいるじゃんか」



妬かれるよ?
と蒼空が悪戯気に言うとボン!と市の顔が赤くなった。




「え…や、えっと……」


「もうお市ちゃん可愛い!長政さんがうらやましいよ!」


「長政様は…蒼空のこと、も…大切に…思っているわ…」


「あ〜いや、…うん。ソウデスネ」




私に対するのは親愛の情であってお市ちゃんのとはまるっきり違う…

思わず長政に同情して遠い目をする蒼空。
そんな彼女にに首を傾げつつ市が声をかけるのは数秒後。



 
†入学†
 



(んじゃ私こっちだから)

(うん…あとで、ね?)

(ちゃんとお友達作るんだよ〜)

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