文 | ナノ

「待て、今刑部と言ったか?」

「毛利貴様…刑部の顔を忘れたというのか!!」

「刑部が大谷のことなら奴はいつも包帯を巻いておったろう」

「やれ同胞よ、この醜い反転した目を忘れたか」

「……まさか貴様本当に大谷か」

「ヒヒッ、さよう」

「ちょ、ちょっと待って!俺様達にも分かるように説明して!」


あわてて口を挟めば毛利の旦那に舌打ちされた。
だって、本当に意味が分からない。


「われの名は紀之介。昔は大谷吉継と名乗っておった」

「私は佐吉。昔は石田三成と名乗っていた」

「今ぬし等がいるのは戦国の世から疾うに400年経った……異世界よ」

「……は?」


この子供たちが凶王とその軍師?
400年?
異世界?

旦那たちも目を見開いている。


「ヒヒッヒヒッ、間抜けな面よ、ツラ」

「そんなこと信じられると思うの?」

「さぁなァ。信じようが信じまいがぬしらの勝手よ」

「貴様!刑部が嘘をつく訳ないだろう!」


いや、だってこんなの簡単に信じられる方がおかし
「ふん、成る程な」

「毛利の旦那!?」


なんでそんな簡単に信じちゃってんのさ毛利の旦那!


「400年か。なら確かに周りの絡繰りも納得できるな!」

「Oh…ついに俺はtimetravelまで出来るようになったみたいだぜ小十郎」

「政宗様!?コイツ等の話を信じるのですか!?」

「佐助、未来は凄いでござるな!」

「旦那ぁ!?何そんな簡単に信じちゃってんの!?」

「周りを見てみよ佐助!」

「確かに見たものない物ばっかだけどさ……」


百万歩譲ってここが未来だとしてもさ。


「なんでここが異世界だと言い切れるわけ?」

「この世界に婆裟羅者がいないからだ」

「!?」

「我らの知る戦国とこの世に伝わる戦国が違うのも理由になるであろ?」


大谷の旦那(仮)曰く、この世界に伝わっている戦国時代と俺様達がいた戦国時代はかなりのズレがあるらしい。


「西海の鬼が言うてた通り、ぬし等の世界の技術では有り得ぬ絡繰りの数々……これ程説明してもぬし等は信じられぬか?
ヒヒッ、それもよかろ。……ただこの世界の日ノ本はぬし等に厳しいであろうなァ」

「分かったよ。アンタの言うこと信じるよ」

「ヒヒッ、ぬしはどうだ右目」

「政宗様が信じたのなら俺も信じる」

「最初からそういえばいいものを」

「……」




†説明会†

(そういや、あの黒髪の男は何モンなんだ?)

(貴様…!あのお方をそのように呼ぶな!)

(こっちはnameしらねぇんだから仕方ねぇだろうが)

(われらの主よ、アルジ)

(主…?)

(ええい!無駄口をたたくな!今からあのお方の前に連れていってやるから黙れ!)

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