簡潔に言うと、眠かった。
もう少し丁寧に言うと、座り心地の良い椅子で思う存分睡眠に集中することができた。

入学式の感想を聞かれたからそう答えると、土方さんは飽きれ半分に苦笑いして、お疲れさんと言ってきた。



入学式なんて出るもんじゃない。
眠かった。ただひたすら眠かった。というか寝た。
学長挨拶も新入生代表挨拶も、真面目に聞いていたやつが果たして何人いるのか。(いや、一人もいないに違いない。)
やけに浮かれた他の奴らを横目に、嵐のように襲いくるサークルのビラをスルーし、俺はぐったりして助手席に沈み込んでいた。

祝福するように晴れ渡る青空が憎たらしい。
ひんやりとした、優しい春の風が憎たらしい。

そして、何よりも。

「昼はどっかで食ってくか?」

何よりも、この横のニコチン野郎の嬉しそうな顔が憎たらしくてたまらないんですが、どうしたらいいですか?

「おい、総…ぶっふぉ!!おまっなに殴…っ!?」
「あーあーあー」
「聞こえてんだろ!それ聞こえてんだろ!」

とりあえず正直な右腕が土方さんに制裁を加えたところで、やっと車が車道に出た。
今日この場所には何千人って学生が集まったわけで、だから駐車場から脱出するのも大変なのだ。

チラッと運転席を睨んで、家、とだけ呟くと、土方さんはそれを予想していたかのようにハンドルをきった。





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更新復、活…した、い…!
いざ自分が大学生になったら色々ネタを盛り込みたくなって
話を全部考え直してます。汗
たぶん長くなります、すみません…。汗





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