「……」
「まぁ、あれはいつものことなんで、気にしねぇでくだせェ」
「いつも!?あの人いつもあんなことしてんのかよ…」
「慣れちまえば楽しいもんですぜ」

姉御に殴られ、ピカ一ン、という効果音が似合いそうな飛びっぷりの近藤さんに、絶句しているひじかたさんを慰めてやる。
まぁ慣れないと驚くか、そうだよな。

「あんたもいつもそうなんですかィ?」
「あんたってお前……や、何が?」
「ここ」

そう言って自分の眉間をツン、と指で示す。

「シワ寄ってますぜ、誰にメンチきってんです」
「きってねーよ。元々だ」
「あんたよく、第一印象悪いって言われやせん?」
「いや、言われねーけど」

そうなんだ。
じゃあ俺だけか、この人に悪い印象を持ったのは。俺にも理由は分からないけど。今話してても、なかなか面白い。からかいがいのあるタイプだ。

「…で、どーすんだ」
「へ?何が」
「いや、俺ここ来たの初めてだし、これからどーすりゃいいの」

あぁ、と相づちを打って、しばらく思案する。

「今夜剣道しに来るんでしょう?」
「あぁ。んで、近藤さん所に泊まらせてもらう」
「ふーん。……じゃあ俺が帰りついでに近藤さんの家に案内しやす。剣道もそこでやりやすから」

そう言えば、近藤さんの家で道場をやっていることは聞いていたのだろう、頷いてみせた。


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