夢かと思った


だってあまりにも似すぎていて
何もかもが一緒だったから



「旦那、その…人は…?」

「うむ、実はな、俺の…」



頬を赤く染め、もごもごと煮え切らない幸村に気づいて

「はじめまして。名無しと申します」


挨拶をするその声も


「えっ、許婚!?いつの間に」

本当に知らなかった。実は正式に決まったのが昨日らしく、いち早く佐助に伝えたかったのだ!と照れながら紹介する幸村はとても嬉しそうに微笑む。


「旦那もやるねぇ〜おめでとさん」


へらり


いつもの薄笑いを浮かべて祝福したつもりだったけど、心中は穏やかじゃなかった。



予期せぬ再会



だってその姿が
あまりにも似すぎていて

俺様の心を掻き乱すから



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