声に出さずとも伝わる

触れずとも感じる

傍に居るだけで幸せなのだ、と



「小太郎…」

「…………」



風に靡く鮮やかな赤が
痛い位に瞳に映えて

何故か胸が熱くなると
涙が零れた



泣くな、と
頬を伝う雫を拭う指も

時折見せる哀し気な表情も

優しく頭を撫でる手も

熱く情熱的な口付けも

包み込む様な抱擁も



全て、すべて



震える程の愛しさを
止める術など無くて



「好きだよ」

「…………」

「好きだよ」



呪文の様に繰り返すと

寡黙な彼は黙って頷いて、優しく抱き締めてくれる。


だからまた
胸が熱くなって
涙が零れた




溢れた愛で君を包む



ただ
どうしようもなく
ひたすらに

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