高い鼻筋、白い肌、綺麗な横顔を見て我慢出来ずに手を伸ばせば顔を赤くしてこれでもかと怒るから意地悪く笑ってやった。

「いきなりは止めろって言ってるだろっ!!」

ぎゅう、ぎゅう、と澪のお腹にしがみついて、へへへと頭を押し付ければ振り下ろされた拳に涙が出た。痛いよ。澪しゃん…そんなところも好きだよ。こんなことではへこたれ無いから、顔を離して自分よりも上にある顔を見上げれば潤んだ顔をした澪が慌てたように焦ったよう唇をきつく閉じていた。

「あー、もー、澪」
「な、なんだよっ」

そんな顔誰にも見せないでくれ。殴るのもわたしだけで、そんな目で見るのも、顔を赤くするのもわたしだけにして。そう思うことが我儘で一人よがりで、本当自分勝手。それでもちょっと伝えてしまおうか。唇が開いて止めて、、、もっと違うこと。一つ、本当に一つ。言葉を放つ。澪の肩が揺らいだ気がした。足らない足らない、こんなんじゃ伝わらない。どれだけだと思う?どれだけなんて自分でも計り知れないから、もう一度…

「澪、好き」
「っ!!」

リンゴのようなその頬にキスを一つ。そのまま頭を抱え込むように抱き締めれば、「無理するな」と椅子に座ってくれるあたりやっぱりと納得した。なんだ言ってくれたらいいのに、言えないこともわかってるけど。

「好きだよ、澪。澪が好き」

うん、うん。背に腕が回る。
ぐしゃぐしゃに甘えさせて、ぐちゃぐちゃにしたいと思う衝動が生まれる時はこんなときなんだろう。どっちも同じだけ、互いを感じたい時はふと訪れて、わかってしまうわたしも澪も共依存のなにものでもない気がしてないのだけれど。

動くのはわたし、動かしているのは澪。
それでいいんだと思う。

「あたしも、好き…」







(大好きをこんなに言っても満足できない)




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