MEMOの小話にて載せた物の続き





沈殿した泥と一緒だ、と半ば強引に片付けてしまえば後は快楽だけを追い求めればいい。




強制的にうつ伏せにすれば非難の声があがった。ものともせずに、上から重みをあげて汗ばんだ腰に舌を辿わせれば小さく腰が跳ねた。

腰からしなやかな曲線を舐め上げ、背骨に沿って身体ごと上に移動させる。シーツと白い身体の間に無理矢理手を入れて下から上へと持ち上げるように揉みながら既に主張している胸の突起を指先で優しく撫で上げた。

「あっ」

シーツを握る手に力が入る。そこに目を配り右手を掴んで指を絡めた。反応を見ながら胸はさするだけの動作だけを与えてやる。背中への愛撫は止めず、強弱を付けるだけで押さえつけている腰は若干揺れた。そうして、舌をうなじまで舐め上げていき、締め上げれば折れてしまいそうな首に噛み付いた。

「んぁっ」
「感度良いね」

チロチロと噛み付いたところを舐め、そのまま耳元で低く呟く。乱れた呼吸が一瞬、止まり、息を飲む気配がした。

「後ろからのがアンタ、感じやすいのわかってる?」
「うる、さーーつっ」

可愛げない言葉を最後まで聞く前にさするだけにしていた突起を摘まんだ。大人しくやられてればいいと思うけど、こうやって反抗する奴ってのも燃えるんだよなぁ。なんて興奮する頭で考えれる辺り、もうちょい追い込んで欲しいとも思う。まだ、足りねぇよ。

腕や、首、また腰と舐める舌はやめない。体勢は変えず、絡んだ指を解く。脇腹に沿って手を這わせて向かう先は潤んだソコ。ゆっくり撫でたあとに、後ろから手を入れれば染谷の背が反り返り艶のある声が響いた。

「あぁっ」

茂みを掻き分けたソコ潤滑なぬめりのある水に覆われていた。指をそれに絡めて、優しく小刻みに突起を擦る。舌は至って背中を舐め上げ、胸は痛くない程度にコリコリと摘み上げ、押しつぶしながら揉めば嬌声が部屋に鳴り響く。

「やめっっ。、、ぁ…やっ、ぁあ。」

言葉とは真逆に、弱々しい下の愛撫にもどかしさを感じたのか染谷はわたしの指に擦り付けるように腰を落としてくる。その仕草に自然と口角が上がってくるのが自分でもわかった。なんていやらしい奴。男だったら後ろから突き上げてんな、と誘われるままに擦る指を強めれば卑劣な水温が小さくなった。

「ぁあっ!!だめっ、と…なみ先輩っ!!はぁっ」
「腰が揺れてンだけど…嫌なの?」

一瞬、指を緩めた。それば、染谷はまた腰を落として余計に擦り付けてくる。

「はぁっ、染谷…アンタ最高」

熱い吐息が出た。急速に熱が身体を支配していく。がっつくように足首を持ち、開かせ、染谷の身体を若干半分だけ仰向けにさせれば潤んだ瞳とかち合って、一瞬震えるような身震いを覚えた。

我慢出来ずに片足を肩に乗せて、潤むソコに唇をつければくぐもった声が鼓膜を震わす。突起を舐め上げ、二本の指を入れると面白いぐらい腰が跳ね喘ぎ声がわたし好みの良い音楽だ。

「あぁんっ!ま、んっ、あっ、いきなりっ、」

意識的にバラバラに動かしていた指は上のざらついた場所を強く撫でる。突起は吸いながらも口内で舌に弄ばれ、頭を握る手が強すぎる快感からわたしの髪の毛をくしゃくしゃにしていく。それに気付いき、愛撫はそのままに目を上に配らせて息が詰まった。上下する頬、潤む瞳はその奥に熱が燻っている。喘ぎながらも、見下ろされわたしを必死に見ている染谷がとても綺麗だと思った。なんて顔してんだよ。そんな苛立ちと、こんな顔も身体も全部全部自分のものだという独占欲。そしてこうさせているのが自分だという快感が突き抜けて行く。

もっと、もっと…
感じさせたい…

快楽だけなのに、それだけでいいのに…。
不毛な関係でもいいではないか。

柄にもなくキスしたくなって、まじかでその顔が見たくなって、指はそのままに身体を上に移動させ、唇を手の甲で拭ってから染谷の濡れた唇に噛み付いた。嬌声が口内で響く。以前見つけた染谷のイイところを重点に突き上げれば、抱き着く腕が震えた。

声が聴きたい

わたしはわがままだ。キスをしたい。顔が見たい。声が聴きたい。感じさせたい。どれも欲しい。欲しくてたまらない。

葛藤の末、唇を離した。抱き寄せ、快感で抑えられなかった涙の後に舌を這わせる。何度も、喘ぎ声と共にわたしの名前を吐き出す染谷に泣きそうになる。あー、この感情。この衝動。この快感と虚しさ。知ってる。しかし、理性は党に崩れているから止めれない。震える身体に限界を感じ取って、指を早めた。

「んあっ、はっーーと、な…あぁっ」

感じているその表情に胸を締め付けられる。はやく、イけ。もう解放させたい。いや、解放させてくれ。それでも、目は離せなくて。だけど、まだこうしていたくて。もうよくわからなかった。

「もうっ、あっーーあぁぁっ!」

一際、大きな声が響く同時に縋るように距離がゼロになる。震える身体を抱きしめ閉じ込めた。この体温が、声が、身体が、ーーどうしようもなく熱い。

この気持ちは知っている。

沈みきれない気持ちが鮮やかに浮かび上がった。


ーーそうだ、

これは恋心だ…


そんな事声に出せずに荒い呼吸を繰り返す染谷を抱き締め続けた。





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