「はよー」
「うわ」
「何」
「高尾くんだ」
「そうなの?今のって俺に対しての″うわ″なの?」
「違う違うごめん、おはよう」

 朝練を終えて教室に着いた。苗字に挨拶をした。ロコツにイヤがられた、わけではなかったらしいが、苗字の眉間には皺が寄っている。目線の先には、アンケート用紙?

「なんか朝来たら置いてあった。今日の帰りまでに出せって」
「″文化祭&体育祭クラス別出し物アンケート″?もうそんな時期?」
「半年先」
「気ィ早いなー」
「ね。しかもこのアンケート、不正防止のためにボールペンで書けとか書いてあって」
「は?わざわざ?」
「うん…高尾くんの後ろで真くんがものすごく嫌そうな顔してんの」
「……」
「″テーピングが汚れるのだよ″ってね」
「なるほどねー、ってかそれは苗字もじゃね?」
「そ、手よごれるから私も嫌なんだけどー…あ」

 にやり、と頭の悪い笑みを浮かべ、苗字は真ちゃんからアンケート用紙を奪い取った。「私が書いておいてあげるね」と、語尾にハートマークでも付いてんじゃねぇのって声で言い残し、鼻歌を歌いながらアンケートを記入していく。さっき書きたくないって言ってなかったっけか。嫌な予感しかしねぇんだけど。ちらりと真ちゃんを見やると、全てを諦めたような、そんな顔をしていた。


・・・・・・・・・・・・・・・・


「文化祭、お前らのクラスは何やんだ?出し物」
「……」
「……」
「オイ」
「………………女装喫茶、デス」

20130504
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