「あ、」
「どしたの高尾くん」
「古典の教科書忘れた」
「オーウ、ドンマイ!」
「…そこはさあ、『…よかったら、一緒にみる?』とか言うとこじゃね?」
「えー高尾くん少女漫画の読み過ぎー」
「苗字は夢見なさすぎ」
「私高尾くんに浪漫求めてないもの」
「うーーわ言ってくれんじゃん」
「ちょっ 机くっつけてこないでくださーい」
「マジ頼むって俺今日当たんだよ」
「ふーん、で?」
「苗字マジドライ」
「……」
「机を脚で押し返さないでください!教科書見せてください!昼飯奢る!」
「ホント?メンチカツバーガーがいいなー、あ、でも今日はお弁当持ってるから今度で」
「名前、高尾、静かにするのだよ」
「ほら怒られちゃった」
「…こいつ」

キーンコーンカーンコーン

「……」
「……」
「……」

 最初は気にならなかったけど、というか普段は机間に人一人分ほどの通路があるから、こうはならないのだ、けれど、今はそれがない。
 さっきから、私の左腕と高尾くんの右腕がぶつかる。ぶつかりすぎている。

「……」
「……」
「…高尾くん、」
「…ワリ」
「いや、この場合私が問題なんだけどさ」
「だよな」
「机離してもいいかな」
「イヤイヤなに言ってんの」
「だって肘当たるし。ノートとりにくいし」

 それとも私に右手でノートをとれと?ムリムリ、日が暮れる。それ以前に黒板消される。どうしたもんか。うーん、あ。

「…よしじゃあ私寝るから」
「は」
「真くんに後からノート見せてもらう」
「ナニソレズルイ!」
「ぐー」


・・・・・・・・


「真くんノート「見せん」
「え」

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