2014/07/10---志摩廉造

「ごめん、全部嘘」

 学校帰りに二人立ち寄った小さな公園の真ん中で、彼は後ろに続く私に向き直り言い放つ。嘘、って、何だっけ。何が?我ながら物分かりは良い方だと思ったんだけどなあ。え、と情けない声が出た。ぐるぐるぐるぐる、たったの8文字が脳内を支配する。その間にも、彼の話は続く。

「何が、て、言いたそうな顔。解ってくれる思たんやけど」
「嘘、って」
「そ、全部、ぜーんぶ嘘。君は優しい子ぉやから、すぐ俺を信じた。あ、そうそう。君が夏に貧血で倒れたとき、実は直前に飲んでたお茶に少しだけ薬混ざってたん気づいてた?」
「……知らない、何、それ」


140710
こわい

 
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -