yume-utsutsu..*

name change  
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包みを開けたら君が入っていた


「―…それでは、名前。
日暮れまでには終わらせなさい。
良いですね?」
『…ッはい…』


セバスチャンの、紅茶色の瞳は卑怯だ。
全てを飲み込み、虜にする。
あたしも、囚われた内の一人。


「名前…そんなに顔が赤いと、気付かれてしまいますよ」


クス、と吐息を含んだ笑いがあたしに向けられた。


『ッだって、セバスチャンが悪いんだもん』
「…私の所為にする気ですか?」


しまった、と思った時にはもう既に遅くて。
あたしはセバスチャンの腕に囚われた。


「そんな風に躾た覚えはありませんよ」
『ご、ごめんなs―…』
「謝罪は聞きたくありませんね。
大人しくしていなさい」
『ッん、ふ…』


酸素の出入り口を塞がれ、生理的に涙が溢れて来る。


「ああ、良い顔ですね。
もっと見せてくれるでしょう?」


舌をねじ込まれ、必死に絡めさせる。
歯列をなぞり、時々甘く吸われて、上唇を優しく噛まれて。
セバスチャンのキスを、あたしは夢中で貪った。


『んん…ハァ…ッああ゙』


胸の飾りに、生温かい何かが触れた。
唇をやっと解放され、酸素を吸い込むあたしにまた新たな快感が襲う。


『やぁ…セバ…ッチャン…!
汗、かいた…ッから』
「名前の躯は甘いですね」


美味しいですよ、と耳を掠める低い声に、背中が痺れる。
本当に、彼は卑怯。


『ハァ…ッあ』
「声、抑えたらどうです?
丸聞こえですよ」
『ッあ、だってぇ…
セバスチャンが…』
「また私の所為ですか?
仕方の無い女(ヒト)ですね」


そう言ったセバスチャンは、ハンカチをあたしに噛ませた。


「猿ぐつわ、というらしいですよ。
中途半端に口が開いていて、とても厭らしいですね」
『んん゙ッ…ふぐぅ…』


声が、出ない。


「動物みたいで素敵ですよ、名前」


妖艶に微笑むその姿に、下腹部が疼く。
早く、早く…







早ク、壊シテ






「さあ、可愛がってあげましょう」


そう言ったセバスチャンは、手袋を取ってあたしの秘部をなぞり始めた。
もどかしいような、じれったいような感覚に、あたしは身を捩る。


「どうしたんですか、そんなに動いて」
『ん゙…んぐ…』
「おやおや、何を言っているかさっぱり分かりませんね」


意地悪な紅茶色の瞳。
悔しいけれど、あたしはもう快感に溺れた。


「そんなに欲しいのなら、おねだりしたらどうです?」


あたしが限界なのを悟った様に、セバスチャンは口角を柔らかく上げる。


おねだりの仕方は教えたでしょう?


セバスチャンが猿ぐつわを外した。
酸素を自由に吸える口で告げたのは、魔法の言葉。
セバスチャンに壊される、至福のコトバ。


『お願…ッ…セバスチャン…
壊してぇ…ッ』


彼が、嗤った。
その後の記憶は無い。



『ん゙あああッ』
「ああ、貴方の中はとても熱い」


快感に溺れた人形を、私は今壊している。
本当に貴方は卑怯ですね。
そうやって何時も、私を魅了する。


「くッ…締め付け過ぎ…、ですよ」


そうは言っても、彼女にはもう私の声なんて聞こえていないでしょう。
顔を紅潮させ、だらしなく涎を垂らして。

愛玩動物ですか、貴方は。
いえ、もっと素晴らしい

例えるなら、そうですね。

チョコレート。

溶かして
固めて

私だけの形に

食べて
残して

その甘美な味を
私の中に

甘くて
苦い

誰をも魅了する


ああ、貴方は本当に困った人だ。
私を此処まで溺れさせた責任は、その躯で払って貰いますよ。


『ッぁあ゙…ハァッ
セバ…ッチャ…』
「ハァ…ああ、良いですよ。
イッても」


蜜壷の収縮が激しい。
私も、そろそろ限界の様ですね。

…人間なんて
喰べ飽きた筈でしたのに。

貴方は、少々美味し過ぎる様です


『ぅあ…も、イッ…く』
「ええ、私もです。
中に注いであげましょう」


私の愛を、欲望を


『ッああぁああんッ』
「…ッ」


最奥を突き上げ、そのまま白濁とした欲望を吐き出した。


「やれやれ、つい無茶をしてしまいました」


規則正しい寝息をたてる名前の寝顔を見つめながら、乱れた燕尾服を正す。


「全く…貴方の所為ですよ」


貴方が可愛らしいから
つい、虐めてしまうんです。

クス、と小さく笑いを漏らし、彼女の滑らかな頬を撫でた。


知らないでしょう。
私の気持ちなど。

貴方はきっと、私に遊ばれている、というくらいにか思っていない。

どうしてその様な考えに至ったのでしょうか。
私は、こんなにも貴方の事―…




ああ、いけない。
夕食の準備がまだでしたね。

私は、名前の主でもありますが…

人間界で坊ちゃんに飼われている限り。
私はあくまで執事ですから







包みを開けたら君が入っていた
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毎日がバレンタインディ。勿論チョコレートは貴女自身です。


(余裕のないセバスチャンが書きたい今日この頃)

11.08.11.16:06


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