『ふッ…あ…!』 「まだですよ、もっと。 私を楽しませて下さい」 『あ…ッ…も、無理ぃ…』 「ダメです。 止めて良いなんて誰も言ってませんよ」
月が落とす僅かな明かりに照らされた、二つの影。
「ほら、もっと脚を広げなくては… 見えませんよ」 『ッ…恥ずかし…』 「淫乱が今更何を言っているんですか? ほら、見られて気持ち良いのでしょう。 此処からでも良く分かりますよ。 貴方が蜜を溢れさせている姿が」
私の目の前には、真っ白なシーツの上で白く細い脚をおずおずと広げる一人の人間。 長い栗色の髪を垂らし、その白い首には行く筋もの汗。 淡い緑色の瞳には涙を湛えて。
ああ、なんて甘美な光景。
『セバス…チャぁ…ッあ… も…らめェ…』 「だらしないですね。 そんなに涎を垂らして…」
クス…と、口許に笑みを浮かべて一人ベッドの上に座る彼女に近づく。
彼女、名前は先日、此処ファントムハイヴ家に雇われた家女中。 人の良い坊ちゃんが、裸足で彷徨う彼女を連れ帰った。 メイリンでは彼女に仕事を覚えさせるのは無理なので、私が付きっきりで教えているのですが…
正直、どの使用人よりも飲み込みが早い。 まァ、他の使用人が馬k―…個性的過ぎるだけなのですが。
『セバ…ッチャン…?』 「―…おねだりの仕方は教えたでしょう?」
ああ、いけない。 こんな甘美な時間を過ごしているというのに。 仕事の事なんて、野暮でしたね。
私は名前の顎を人差し指で持ち上げて、涙で潤んだ瞳に自分を映した。
『ッ…セバスチャンのが…欲しいの』
顔を赤らめて、視線を僅かに外す。 ああ、何て可愛らしいのでしょう。
でも―…
「そんなおねだりの仕方では、ダメですね」
口角を上げ、私は彼女から離れて元居た位置に戻る。 彼女の瞳は縋る様に私を見つめる。
「さァ、私を煽って下さい」
口許に薄く笑みを残したまま、椅子に座って彼女を見据える。 彼女の羞恥心は最大限にまで引き上げられ、耳まで赤く染める。
名前はゆっくりと白い脚を広げ、細い指で自ら花弁を広げる。 蜜壷を露わにし、彼女の唇は私を誘う。
『ッ淫乱な名前の…此処にセバスチャンを挿れて…』
背筋をゾクリとした何かが駆け抜ける。 私は唇で手袋の指先を挟み、ゆっくりと外す。
「…貴方がいけないのですよ。 私を、此処まで煽ってしまうなんて」
耳を掠めてそう囁けば、名前は顔を更に赤らめて息を乱す。 ゆっくりと彼女に近付けば、支えられなくなった彼女の上体は重力に従ってベッドに埋もれる。 名前の立てられた膝に手を付いて、更に足を広げる。
「ああ、こんなに濡らしてしまって。 余程私に壊して欲しかったのですね」
キラキラと光り、甘い蜜で濡れそぼる其処は甘く私を誘う。 唯の人間に此処まで入れ込むとは。 私も悪魔失格ですね…
「覚悟は良いですか? 勿論―…」 『ッああぅ!!』
はち切れんばかりの自身を、名前の密口に宛がい、一気に貫く。 その快感に名前は大きく背中を弓なりに反らせて果てた。
「拒否権はありませんが」 『ああッ…あ゙!…はぁ…んッ』
私の声等、もう届いてはいないだろう。 意識を手放さない様、私の腰にしっかりと脚を絡めて、私の背中に爪を立てる。
「…ッそんなに…ハァ…可愛らしい事すると、本当に知りませんよ…ック」 『ああッ…セバ…チャ…! やあぁんッ…あ!』
必死に私の名前を呼び、律動に振り落とされない様にしがみ付く貴方を。
私はもう、手放せそうにありません。 そんな私は、悪魔失格でしょうか。
…しかし私は。 坊ちゃんの望みが叶う其の日まで
あくまで執事ですから…
せめてそれまでは 貴方を手放しません
シルクのシーツの上で -------------------- 坊ちゃんの望みを妨害したくなる瞬間です。
(それでも冷静なセバスチャンは次の日シーツをこっそり洗うのです)
11.08.07.15:50
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