![]() ![]() yume-utsutsu..* ◎name change nrt | btl | main 君との休日、虹の下 49/49 君との休日、虹の下 ボクの毎日はきらきらと輝き出した。君のくれた、幸せで。 『今日は天気が良いから、散歩に行こうよ』 無邪気な笑顔でそう言って、ボクの手を引く。 ボクは唯苦笑して、君に引かれるがまま、外に出た。 日差しが強くて、眩しいね、とボクを見上げる君がなんだか愛しかった。 休日と言う事もあり、瀞霊廷は穏やかに賑わう。 夏の入道雲の隙間から零れた日差しが、縁側に届いて仄かに橙色になって畳みを温める。 そない休日、君はボクの手をいつの間にか離していて、子どもみたいに駆け出す。 「そない走ったら転ぶで」 そう言うと、大丈夫!と根拠のない返事が届く。 どうせ今に転ぶ、そう思ったボクは駆け出す君の後ろに急ぐ。 『ギン、見て!』 子どもたちが水道の水でスプリンクラーのようにして遊ぶ。 そこに出来た虹を指差し振り向いた君。 勢いを殺さずに振り向いたから、 「……言うたやろ、転ぶって」 バランスを崩して重力に逆らえずに傾く君の腕を掴んで、ぐいっと抱きよせる。 ボクの胸の中で、危なかったぁ…と溜息を吐く君の額に、デコピンを食らわす。 『い゛ッ!!』 「ボクの言うこと聞かんからや」 痛みに慌てて額を抑える君に軽く説教をすれば、素直にごめんなさいと漏らす。 ボクは軽く微笑んで、君の指に自分の指を絡ませる。 「離れんといて」 そう言うと、頬を赤らめて俯く君。 つむじにキスをすれば、照れ臭そうに笑って。 ボク等の休日は、穏やかに、穏やかに。 幸せの形を育んで閉じていく。 『ギン、大好き』 ボクも。そう呟いて、はしゃぐ君に好きやで、なんて。 これ以上の幸せは、きっとない。 君との休日、虹の下 -------------------- (あ、ギン見て見t…きゃあ)(ああほら、また転んだ!) (ギンは彼女の錘で手一杯だそうです。) 12.08.30.17:33 [TOP] [ top ] |