yume-utsutsu..*

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噛みついた指先
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愛は怖い
だって、何時裏切られるか分からないから


『ッぁん!』


ノイトラ、ノイトラ。と俺に手を伸ばす女。
二年前まで俺の従属官だった癖に、藍染の命令だか何だかで藍染の宮に移った奴。
あんなに、俺の事好きだって、愛してるって言ってた癖に。
藍染のたった一言で。
俺の傍からあっさり離れていった。

女なんて、皆そうなんだ。
どいつもこいつも。
愛だの恋だの唱えて、夢に夢見て恋に恋して。
誰も俺なんか見てねえ。

…お前も、そうなんだろう…?


「ッなァなまえ?」
『ああッだめぇえ』
「ダメじゃねえだろォ?
此処、お前の好きなトコロじゃねえか」


良いトコロを突いてやれば、髪を振り乱して善がる。

…汚い。

俺の躯だけ
俺の与える快感だけ

こいつは欲しがってんだ。


「ハッ…興醒めだ」
『ッえ…?』


ズルッと自分のソレを引き抜いて、服を引っ掛けた。


『ノイ…トラ?』


快感から醒め始めた女は、ゆっくりと上体を起こす。


『どうしたの、ねェ。
ノイトラ…』


煩ェ、煩ェ。
俺なんか、俺なんかどうでも良いんだろ?


「俺の事、あんなに簡単に捨てられるくらいなんだ。
もう俺が居なくても良いだろォ?」
『の、ノイトラッ』


俺を呼びとめる声は、閉まるドアの音に掻き消された。


「ノイトラ様…」


テスラの心配そうな声も無視して、俺は服をちゃんと着て宮を出た。
どいつもこいつも、馬鹿にしやがって。


「ノイトラ、なまえは居るか」
「あァ?」


振り返れば、其処に居たのは虚無の男。


「あいつがどうかしたのかよ」
「貴様には関係の無い事だ」
「そうかよ。
じゃあ、あいつの居場所も教えられねえなァ」
「そうか、居るんだな」


淡々とした喋り方に苛々する。


「貴様が居場所を知っている、という事は貴様となまえは一緒に居たのだろう?
貴様が宮から出て来たのならば、なまえの居場所は一つ、だ」


―…クソ。


「…大体、藍染の野郎は何でなまえなんかに…」
「何だ、知らないのか」


どういう意味だ、と睨めばウルキオラの何も感じない瞳に映る俺が酷く醜かった。


「なまえはお前を想う代わりに藍染様の身辺のお世話をしているんだぞ」
「!」


そんなの、初耳だ。


「藍染様の言い付けを守る事により、奴は週に一度だけ宮の外に出られるのだ」



「俺の事、好きなんだろォ?
だったら毎日来いよ」
『ッ…ごめんなさい…
それだけはできない…』
「…そうかよ」



だったら、てめえなんざ要らねえよ




俺は……


「まァ、貴様に話したところで何にもならんが。
なまえは借りてい―…」


ウルキオラの言葉を最後まで聞く前に、俺は響転でその場から去った。

俺は、何時も何かを見落としてきた

なまえの哀しげな微笑みも
なまえの優しい声色も
なまえの温かな気持ちも



なまえの本当の愛さえも




俺は見落としてきた。
本当なら、取り返しのつかない事をして、何度も何度もなまえを傷付けて来た。
なのに、なのに。
何故あいつは笑っている?
俺の傍に来る?

…なまえ、なまえ…

俺は―…



―バァンッ


『ッ!!』


扉を開け放った先には、泣きはらした瞳で俺を見つめるなまえの姿。


『ご、ごめんなさい。
すぐ帰るから―…』


嫌 わ な い で


俺は気が付けば、なまえを抱き締めていた。


『ッんん!?』


そしてそのまま、貪る様に唇を塞いだ。
柔らかくて甘い、なまえの唇。

歯列をなぞり、逃げようとする舌を絡め取り、吸い上げる。
苦しそうに眉を顰めて、顔を赤くして。
震える小さな手が、俺の服の裾を握る。


『ッハァ…あ?!』


そのままベッドに押し倒して、服を剥ぎ取る。
白い肌、滑らかで触り心地の良い、なまえの肌。

その白い首に舌を這わせる。
時々甘く吸い上げて、紅い華を散りばめながら。


『ッあん…ハァ…ッ』


さっきの余韻も手伝って、なまえを快感が襲う。
その顔も、俺がさせているんだ。
声も、仕種も、反応も。
俺が与えているんだ。

そのままなまえの膨らみに噛みついて、二本の指を蜜壷に突き立てた。


『ッあ゙あ!』


びくびくっとなまえの細い躯が跳ねて、中が収縮する。


「なんだァ?
こんなモンでイッたのか?」


ニヤリ、と口角をあげつつも、なまえが落ち着くまで待ってやるという余裕は無い。
イッたばかりのなまえの蜜壺を容赦なく指で掻き回す。


『ああぁッ…だ、めぇ!』


すぐに二度目の波はやってきて、なまえを飲み込んで行った。
親指の腹を器用に使って、小さな蕾を押しつぶしながら円を書く。


『も、だめ…ッああ!
待って…よぉ』
「待てるかよ」


ボソッと呟いて、天を仰ぐソレでなまえを貫いた。


『―ッ!!』


脚をピンと伸ばし、二、三度痙攣してなまえは果てた。


「ッ締め…過ぎだろ…ックソ」


持って逝かれそうになるのを堪えて、誤魔化す様に突き上げる。
最奥を突く度、叫び声に近い声で喘ぐなまえ。
狂ったように乱れるなまえは、俺だけのモノ。

意識を失いそうになるなまえの手を取り、細い指に噛みついた。


『い゙!ぁ゙!!』


指がビクッと震える。
薄らと滲み出した血を舐め取り、他の指にも同じ様に噛みつく。


『痛ッ…あ!!』
「痛い割に、濡れてきてるぞ、此処」


と言って腰を推し進めながら、指先を噛む。
快感と痛みが合わさって、訳の分からない感覚に狂いそうになるなまえを見下ろしながら、俺も絶頂へと向かう。


『ッあ、ノイ…ッラ…!
ああッ…すき…すきィ…』


涙を流しながら、揺らめく瞳で俺を見つめる。
そして何時もの様に、両腕を俺に向かって目一杯伸ばす。
普段ならその腕を振り払うけれど…
俺はその腕を優しく掴み、首へと回させた。


「知ってるよ、そんな事…」


そう呟いて、なまえにキスを落としながら律動を速める。


『ふぁ…ッ気持ち、良…ッ
ああッも、だめ…イ…ッちゃ…』
「イけよ…
俺も限界だしよォ」
『はぁぁああんッ』


背中を弓なりに反らせて、なまえの中の収縮に合わせて俺も果てた。
案の定意識を失ったなまえ。
その指先は痣のように青紫色に変色してしまっている。
俺は痛々しい細い指先に優しくキスを落とした。


「…ごめんな、なまえ」


生まれて初めて述べる、謝罪の言葉。


そして耳元に落とす様に呟いた。



―愛してるよ…


もう、間違わない。
もう、見落とさない。

指先に、印を付けたから。








噛み付いた指先
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(テスラ…まだ情事は終わらないのか)(…申し訳ありません、まだ寝室で…)


(誰よりも臆病なノイトラさん)

11.08.11.18:01

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