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血染めの貪欲
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血染めの貪


欲しいモンは手に入れる。
唯それだけや。


そう、例えそれが

他の奴のモンでも……


「おっはようさん、なまえ」
『…お早う、平子君。
今日も元気そうで何より』


明らかに迷惑そうな表情を浮かべる君は、霊術院の同級生、みょうじなまえ。


『…て、いうか。
平子君髪の長さ中途半端すぎ。
オカッパでもないし、ロングでもないし』
「良えねん、これが俺のスタイルや」
『そう、じゃあもうずっとその長さで良いね』
「あ、やっぱ嘘;」


鼻で笑うなまえ。
その表情すらも愛しくて。

慌てて否定する俺に、嘘よ。と唱えるその唇も。
意地の悪い笑みも。


その一挙一動、表情、仕草にまで振り回される俺は。
もう君から離れられないと、体の細胞が訴えているかのように。

心臓が煩い。
少し厚めの色っぽい唇が俺の名前を呼ぶ。
跳ねる心臓、震える心、熱くなる体。



ああ、好きや。


君のその全てに魅了されて。






「―…なまえ」
『あら、お早う』


俺やない声に、俺とは違う表情で笑う。
彼女の名前を呼んだのは、彼女の唇も体も全てを手に入れた人物。


「よぉ、平子。
悪ィけどなまえ借りてくぞ」


なまえの細い肩を抱いて、俺に向ける笑顔。
お前に名前なんか呼ばれたない。


「…ほんまにな、俺のなまえやのに」
「ふざけんな、俺のだよ」


冗談めかしてそう言えば、それをギャグと受け取って笑うお前。
その隣で頬を紅く染めるなまえ。


『もう、いちいち言わないでよ恥ずかしいな』
「なんだよ、照れてんのか?」
『バーカッ』


バカップルのじゃれあい。
こないなモン見せつけられて胸中穏やかでいれる筈もなく。

怒りと憎悪と悲しみを、拳を握ることでどうにか耐える。
笑え、俺。
おちゃらけた表情で笑い、脳裏でお前を斬り殺す。


「じゃあな、平子」
『またね、平子君』


なまえの白く小さな手がひらひらと俺に向けられる。
それに応えるように俺も片手を上げる。

それを合図に二人は俺に背を向けて。




―ふざけんな、俺のだよ




「…ふざけてんのはどっちや…」



なまえは…

俺のや……










夕闇が辺りを包む。

死覇装の黒を呑みこんで
俺は闇となる。

俺は闇となり、今宵なまえを奪う……


「…なぁ、今日は平子と何話してたんだ?」
『ん?挨拶と…
髪の長さが中途半端だね、って言う話』
「…確かに中途半端だ」
『ね?』


他愛ない話で笑う二人を、闇の中で見つめる。
昔から霊圧を消すことだけは上手かった俺。

成績、下から数えた方が早いお前に、俺の霊圧なんか読み取れへんやろ。


「でも、なまえ、平子と仲良いよな」
『そう?至って普通だと思うけど』


…俺はお前よりも確実になまえを愛しているし、お前よりも遥かに多くなまえと接しとるからな。


「…大体、今日だってお前を俺のもの呼ばわりするし…」
『…やだ、ヤキモチ?』


クスクスと小さく笑いを零すなまえ。
そんななまえの額を人差し指で弾く。


「うるせェよ。
お前は俺のなのによ」


…なまえがお前の?

笑わせる。


…なまえは俺のや…


「平子のモノなんかじゃな―…」
「俺のや」
「な…っ!?」



お前の言葉を遮り、俺は闇を纏ったまま斬りかかった。
暗闇に鮮血が舞う。

それはそれは鮮やかに。


『ッきゃあああああっ』


恐怖に叫び、倒れ込んだ男に駆け寄るなまえ。

男の名前を必死に呼ぶ。
虫の息の男から、返事などなく。

大粒の涙が、なまえの頬を伝う。


涙を湛えたままのなまえの瞳が、俺を捕えた。


『っ…ひ、平子…く…っ』


闇の中に佇む俺を見つけ、俺が誰だかを理解したなまえの表情は恐怖と悲しみに歪んだ。


『な…んで、どうして…?』


震える声
涙で濡れた頬
乾いた唇


ああ、



愛シイ…







「助けに来たで」


俺の言葉に、意味が分からない、とでも言うように眉を顰める。


「なまえは……俺のモノや」
『ひ…っ』


なまえを地面の上に押し倒し、死覇装を破く。
白い肌が露わになり、君は叫ぶ。


その声すらも、俺を掻き立てる。



『やぁああッ…
平子く…や、めてぇえ』


泣きわめくなまえ。
ああ、可愛え。


白い首筋に舌を這わせ、ねっとりと舐めあげれば、ひっ、と息を止めて体を強張らせる。


「なまえは甘いなぁ…」
『や、やめ…て…お願―…んんっ』


懇願するなまえの唇を、俺の唇で塞ぐ。

柔らかい、温かい、甘い。
これがなまえの唇。

その唇が、俺を呼ぶ。
やめて、と叫ぶその言葉も、俺だけに向けられている。


『ッハァ…ッ平―…んぅっ』


息継ぎに一度唇を離し、そしてまた噛み付く。

長い睫毛、濡れた瞳。

光る唇、震える声、白い肌。


鼓動が早まり、俺のモノも熱く、硬くなっていく。


残りの死覇装を剥ぎ取れば、広がる白い肌。
胸の膨らみの先端にある桃色の飾りを、指先で転がす。


『ぁ…っ』


ピクッと小さく揺れる体。


「感じとるん?
えらいヤラシイやっちゃな」
『ち、違―…』
「良えの?
隣で彼氏死んでんねんで?」
『っ…!』


そう、すぐ隣には血まみれの彼氏。
…だった人物。

今はもう、俺のモンや。


俺はお構いなしになまえの膨らみに舌を這わせ、桃色の飾りを舌先でつつく。


『っふ…ッ』


そのまま舌で押しつぶし、もう片方の飾りを指でつまむ。
なまえの唇から漏れる甘い声。


強弱をつけてつまみ、捻り、舌で転がす。
ビクビクと跳ねる体、細い腰。

俺は舌をそのまま上へ移動させ、首、耳をなぞる様に舐める。
手を腹部に這わせ、指でへその窪みを擽る。


『んン…ッ…やめて…ッ』


眉を顰め、頬を紅潮させる。
漏れる吐息、薄らと残る涙の跡。

俺は首筋に紅い華をいくつも咲かせた。



俺の物 俺の物 俺の物 俺の物 俺の物 俺の物



…なまえは、俺の物…



腹部を彷徨っとった手を、さらに下へと伸ばす。
なまえの抵抗は強まり、きつく閉じた瞳から再び涙があふれ出す。


「…何や、もう濡れとるやないの」
『や…ッ…違…!』
「何が違うん?
こない濡らして。ほら、音聞こえるやろ?」


―クチュ…グチュッ


わざと音を響かせながら、指を浅く出し入れする。


『やあぁ!
やめて、お願い…っ』
「やめて言うてもなァ…
入口ヒクついとるで?
それにほら、俺の指締め付けよるし」


指を二本に増やし、軽く曲げてお腹側を擦る様に出し入れすれば響く水音。


『ッあ、やめ…ッ…出、ちゃううぅう』


泣きながら訴えるなまえを、責めるように指を動かす。


『ッや、ぁああああああぁぁッ』


びくびくっと体を跳ねさせ、痙攣した後ぐったりとするなまえ。


「あーあ、何や漏らしてん?
俺の手、びしょびしょやねんけど」
『っあ…ぁあ…』


余韻の残るなまえに追い打ちをかけるように指を動かす。
達したばかりの体は、敏感に反応を見せる。


「なぁ、自分だけやのォて、俺も気持ち良くしてや」
『え…ふぐっ』


硬くなったソレを、無理矢理なまえの口に入れる。


「ああ、歯ァ立てたら許さへんで」


そう告げて、腰を動かす。


『ん、う゛ぇ、え゛っ』
「ああ、ほら、ちゃんと咥えてや」


わざと腰を大きく動かし、喉の奥にまで入れる。
息どころか、逆に咽てしもてもおかしくない状況でそう言う俺は、狂っているとしか言いようがあらへん。


何時も俺を呼んどった唇が、
意地悪く弧を描いとった唇が、

俺のを咥え、俺のを舐めとる。


俺はブルッと身震いすると、早く腰を動かした。


『ん、ふううぅ…ん゛』


歯を立てへんので精いっぱいのなまえは、苦しさに顔を歪ませる。


「…ッ出すで。
全部呑まなアカンで?」
『ん、んんんッ』
「く…ッ」


喉の奥に白濁とした液を吐き出し、ソレを抜き取れば。


『う、ゲホっ…ゴホ、ゲホッ…!!』


我慢しとった分も吐き出すかのように咽返り、空気を吸い込むなまえ。
顎を精液が伝う。


「ああ、零しとるやん。
全部呑め言うたのになァ」


可笑しいな、と意地悪く微笑めば、恐怖に震えるなまえ。


「お仕置きや」


クス、と笑い、まだ硬いままのソレをなまえに突き立てた。


『い、やぁああああッ』


絶叫と共に、背中をそらせるなまえ。


「ッ…初めてちゃうん?
気持ち良さそうな顔で、俺ン事煽りよって…」
『あッ…やだやだ、うぅ…あ…ハァ』


なまえの中は濡れて、俺のモノを締め付けてきよる。
それは"初めて"にしては絶妙な狭さ。

そして気づいた。

なまえは、俺以外の男を受け入れている、ということに。

俺の物やのに。

それはとっくに汚れていて。
俺を締め付けるなまえの中は、俺以外の物で汚されていて。


「何や、なまえ……
何俺以外の奴に汚されてんねん」
『え、あッ…ハァ…あぁッあッ』


ガンガンと子宮を突き上げれば、肉と肉がぶつかり合う、乾いた音だけが響く。
水音と吐息。時々涙。



そこに愛はなくて

見えないだけかもしれない、と言い聞かせながら。
俺は腰を振り続けていた。


俺の死覇装と夜の闇に溶けて、きっと愛は見えなくなってしまっただけだ。



なんて、幻想。


『や、ぁあああッ
ハァ…も、だめぇ…ッ
あ、あぁ…やあぁあンッ』
「ッきっつ…ハァ…!!」


達したなまえに持って逝かれるように、俺も達した。
白濁としたその液体をなまえの中に放った。

ショック、苦痛、屈辱。
精神的負担が大きすぎたのか、なまえは果てるのとほぼ同時に意識を手放しとった。
俺は記換神機を使って、なまえの記憶を変換すると、彼女の部屋へと霊圧を消したまま運んだ。
布団に敷き、死覇装を脱がしてそこに寝かせる。
血生臭い、あの場所とは何も関係がない、とでも言わんばかりに、"日常"の風景を其処に創り出す。


瞼を閉じた、なまえの瞳から零れた一粒の涙。


その涙は、誰のためのものなんや…

愛なんて、愛なんて。
結局はこんなモノ。



愛したからって
その愛が返ってくるわけでもあらへん。

愛したからって
愛される保証がつくわけでもあらへん。

愛したからって
傷つかない保証もつかへん。







もう二度と、人は愛さへん。



そう固く誓った。

それは、俺自身のため。


そして、俺に愛された
哀れなお姫様のため。




人懐っこくはあれど
深入りすることはない。


何処か冷たい。
それが俺。


彼女は今も、元気にやっとる。
何もかも忘れて、涙なんか見せへんと、楽しそうに笑てる。













白い羽織を羽織る俺を
夕闇は消してくれない…








血染めの貪
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奪い取る勇気がなくて。


(本当は臆病な平子さん。平子さんにストーカーされたら怖いなぁ)



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