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恋の味を教えよう
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恋の味を教えよう



『阿近さーん』


後ろから近付いてくる足音。
パタパタと忙しないその足音は、彼女の歩幅が狭いことを現している。

振り向けば、ほら。
其処には何時だって君がいる。


「…局内を走るな、なまえ」


そう言えば、ピタッと足を止め、ゆっくりと歩いてくるなまえ。
早く俺の元に来たいのに、もどかしくて仕方ないといった感じの表情を浮かべて。


『阿近さん、見てっ』


やっと俺の目の前にまで来たなまえは、得意げに書類を俺に突き付けた。
俺はそれを何も言わずに受け取り、隅から隅まで目を通す。
それを少し緊張した面持ちで見守る。


「…ほらよ」


俺は見終わった書類をなまえに返した。
なまえは最初きょとん、とした表情で俺を見上げたが、俺の口元を僅かに飾る笑みに気付き、表情を輝かせた。


「上出来だ」
『うわぁいッ
これで檜佐木さんのところに行けるよぅ』


飛び上がって喜ぶなまえ。
俺はそのなまえから漏れた他の男の名前を聞き逃さなかった。


「檜佐木…?」


なまえは飛び上がるのを止め、満面の笑顔で俺を見上げた。


『はいッ
これ、檜佐木さんに直接提出する書類なんです。
檜佐木さんかっこいいし、優しいから…』



嬉しくて、と愛らしくはにかむ。
その表情の向けられる先は、俺ではないというのか。


『じゃあ、行ってきま―…ッあ、阿近さん!?』


俺に背を向けようとしたなまえの細い手首を掴み、引き摺る様に俺の研究室へと連れ込んだ。

何故だ、何故なんだ。
何時だってなまえを見ていたのは俺なのに。
傍にいたのは、俺なのに。

書類が出来ずに涙ぐむお前に、ずっと付き添っていたじゃないか。
研究課題が終わらないときだって、俺の昔の資料引っ張り出してきて、教えてやったじゃないか。

飯だって行った。
お前、酒強いんだな。
甘いの、好きなんだな。
手、小せェな。
お前の髪、すげェ良い匂いすんの。

小柄な割に、良く食うところや、眠い時の不機嫌な顔。
俺はお前のことを何時だって…


「―…ッお前も俺を見ろよ…ッ」


バンッと扉を荒々しく閉め、壁を叩く。
なまえの逃げ場を断ち切る。


『あ…阿近…さん?』


少し怯えた表情のなまえ。
何故、俺を見るときのお前は、ああいう笑顔を見せてくれない。


「クソ…何で檜佐木副隊長なんだ…」


独り言の様に床に落とす。


「行くな、行くなよ。
何時だって、俺が傍にいたじゃねェか
『阿近さ―…』
「何も、聞きたくない」


俺はそう呟いて、なまえの唇から反論が漏れる前にその出入口を塞いだ。


『ん、んッ!?』


ずっと見てきたから、わかる。
なまえがキスすらも初めてなのは。
そうだろう、お前の隣はいつだって空席で。
いつか其処に俺が立てたら。
そんなことを毎晩の様に夢に描いていた。

滑稽だろう?
この俺が、ここまで一人の女に入れ込むなんて。

可笑しいだろう?
そう言って、嘲笑えよ。

頭の中、お前一色なんだ。
俺の頭は、とっくの昔にイカレちまってるんだ。


『んん…ッふ』


苦しくなってきたのか、俺の胸を軽く叩く。
なぜ、抵抗しない?
俺の気持ちを知っていながら受け入れるのなら、随分と残酷なことをするんだな。


『ッハァ…阿近さ…』
「煩い、黙れよ」


頬を紅潮させ、目を潤ませ。
その表情は、まだ俺しか知らない。

もういっそ、俺が全てを暴いてやるよ。
この先、誰がお前を汚そうと。
一番最初に傷をつけたのは俺だということを、その体に刻みつけてやる。


『ッあ…!』


白衣も死覇装も全て脱がし、一瞬で露わになった穢れなき白。


『い、いや…ッ』


慌てて隠そうとするなまえの両手を纏めあげ、傍にあった実験用のチューブで縛り上げる。


「俺が、お前の"初めて"を全部奪ってやるよ」


そう言い捨てて、なまえの薄い唇に噛み付いた。
唇を割り、歯列をなぞる。
呼吸のために開いた歯の隙間から、舌をねじ込む。
なまえの舌を絡め取り、軽く吸い上げる。


『ふ…ッハァ…』


必死で酸素を取り込む君が愛おしい。


『く…クラクラする…』


瞳を潤ませたなまえがそんな事言うもんだから、俺は少し可笑しくなって笑った。


「旨いだろう?
これが恋の味だよ」
『恋…?』


きょとん、と俺を見上げるなまえの視界を塞ぐように、再びキスを落とした。


『あ、あこ…ッああ』


唇はゆっくりと降下していき、首筋にいくつもの紅い華を散らせる。
鎖骨をなぞり、白い肌は俺だけのモノ。
唇が柔らかい膨らみに辿りついた時


『ッあ』


ビクッと揺れるなまえの体。
刺激が少し強いかとも思ったが、もう止められる余裕など俺の中には微塵も残っていなくて。
俺は刺激を緩めるどころか、更に強く快感を与えた。


『や、あッ…あこ…ッさ』


桃色の飾りを軽く噛めば、痙攣したように震える。
右手はゆっくりと降りて行き、くびれを摩り、内腿を撫で、腰紐を解いた。


『は…ずかしい…ッ』


羞恥に顔を赤らめるなまえ等お構いなしに、死覇装をはぎ取る。
現れたのは純真無垢な白いキャンバス。


「綺麗だ」


口角をあげれば、不安と恐怖に揺れる瞳。


「大丈夫だ、痛くはしねェよ」


なんて、俺自身余裕がばいから約束はできないが。

俺は唇をその滑らかな素肌に滑らせ、指先はなまえの誰も触れたことのない秘部へと向かう。


『ぁ、ダメ…ッ』


秘部に触れると、羞恥に体をひねる。


「なんだ、腰振って。
誘ってんのか」


意地悪く問いかけると、弱々しく首を横に振る。


『ち、違…』
「聞こえねぇ」


俺は指先でそっと入口付近をなぞった。


「蜜、溢れてんじゃねェか。
淫乱」


耳を舐めながらそう囁けば、小さくもだえる。


「お前、初めてだろう?
初めてなのにこんなになっちまって。
相当淫乱なんだな」
『違…』
「違くねェ」
『ッひゃぁん』


二本の指を突き立てたが、濡れそぼった其処に痛みが走る訳もなく。
ずっぷりと飲み込んだ秘部は、俺の欲を煽るだけだった。


「ほら、入っちまったぞ」
『ッあ、や…ッハァ』


グチュグチュと卑猥な音を響かせながら、なまえの良いところを探して指を曲げたり伸ばしたりする。


『あ!…ッ』
「ほぉ…此処か」
『や、ダメ…ッだめぇ』


一際大きく体を揺らしたその反応を見逃すわけもなく、其処をピンポイントで責める。
なまえの喘ぎ声は叫びにも似た声になり、艶めいて、妖艶に俺の鼓膜を犯す。


『ッあ、あああぁあぁ!』


ぎゅう、と俺の指を締め付けてなまえは果てた。
荒く息を吐き、ぐったりとするなまえを抱き上げて研究室のソファーに寝かせた。


「よォ、どうだったよ?」
『ハァ…ッハァ…意地悪です…阿近さん』


まだ乱れたままの呼吸。


「ああ、悪いな。
これが俺の本性だ」


俺はなまえの膝を大きく開き、秘部を覗き見る。
血は出ていない。
愛液は止めどなく溢れ、まるで俺を求めているように収縮している。


「どうした、足りないのか?」
『ッな、そんな訳―…』
「欲しいって、素直に言えば良いのによ」
『え…ッあ、痛…ッあああぁ』


なまえが落ち着くのなんか待てるはずもなく、俺は限界まで膨らんだソレをゆっくりとなまえのナカに埋め込んでいく。


「ッく…キツ・・・」


やはり挿入は痛みが伴うらしく、顔を顰めて痛みに耐えるなまえ。
濡れていても初めてという事で、あまり具合の良くないなまえのナカ。


「ッ…動くぞ」
『え、あ…ッやあぁああ』


快感を与え、自分自身の快感も高めていく。
なまえの白い頬を、涙が一筋伝う。
その涙を舐めとり、頬に小さくキスを落とす。


「ッなまえ…悪い…
好きだ…」
『ッあ、ああッハァ…ッあ』


俺の下で必死に喘ぐなまえ。
俺の精一杯の想いなど、聞いていないだろう。
声もだいぶ艶が出てきて、ナカの締め付けに俺もそろそろ限界を感じていた。


『あ、こん…さんっ…
可笑しく…なりそ…ッハァ』
「…ハッ…甘いだろ?」


俺の問いに、首を縦に振って答える。
なまえの膝裏を抱え、更に深く繋がる。


「これが、恋の味なんだよ…」


俺が教えてやる。
だから―…


「ハァ…ずっと…俺の傍に居ろよ…ッ」
『あ、あこ…さんッ…ハァ…
ッ……すき…ッああぁあああぁあ!!』
「な…ッく…!」


喘ぎ声の合間に聞こえた二文字は、俺の聞き間違いか。
確かめる前に、果てたなまえに持って逝かれてた俺は中に欲の全てを注ぎ込んだ。


恋の味に酔い痴れて、無意識のうちに放った言葉なのか。
それとも本心からそう言ったのか。
確認する術はない。


『スー…スー…』
「無茶…しすぎたか」


俺のソファーで静かに寝息を立てるなまえ。
本人が寝てしまっていては、あの言葉の真意を聞けない。

でも…


「取り敢えず妨害は成功…だな」


なまえの細い髪を指に絡ませる。
お前の傍に、俺はずっといた。
今度は傍ではなく、隣に立ちたいのだ。

お前の隣に俺が立つ事を、許してくれるだろうか。


「早く、起きてくれよ」


そう言ってなまえの頬にキスを落とした。

起きてくれなきゃ、分からねェだろう。
初なお前に教えなきゃいけないことが沢山あるんだ。




他の誰でもない、お前だけに。
極上の愛を。




の味を教えよう
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11.10.13.21:56

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