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怖がる君の、
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怖がる君の、




夕日が沈んでいく様を見て、君は瞳を揺らしていた。


『綺麗…』


唯一言、そう呟いて。


「確かに綺麗やけど…
逢魔が時って言うやん」
『おうま…?』


知らない言葉やったのか、眉を顰めてボクを見遣る。
博識、頭脳明晰。戦闘能力も高いから、と他の隊から何度も異動要請が来るほど優秀な、三番隊第三席のなまえちゃん。
そないななまえちゃんにも知らない言葉があんねや、思たら無意識に笑みがこぼれる。


「―…こないな黄昏時を、逢魔が時言うねや」


ボクの言葉に耳を傾けながら、夕日を見つめる。
なまえちゃんの白い肌が、夕日の紅に染まる。


「丁度昼と夜が移り変わる、酉の刻のことや」
『…夜になるから、魔物と出逢うってこと?』
「御明答」


クス、と笑えば、すっきりしたように微笑むなまえちゃん。


「夜になり、魔物が本領を発揮する。
ほんで、人の心を惑わして―…」
『ああっもういい!
それ以上は聞きたくないです!』


死神っちゅう人よりも幽霊に近い立場に居てるのに、なまえちゃんは何故かこういった幽霊系の話が苦手やった。
なまえちゃん曰く、目に見えない、解明できない、答えのないその存在が怖いのだという。


「―…あ、今あそこで何や動いたで!」
『え、や…やだやだやだぁ…!!』


茂みの暗がりを指差して言えば、涙目になってボクに縋りつくなまえちゃん。
小刻みに震えるなまえちゃんの細い肩を抱いて


「ああ、もう大丈夫や」


なんて言ってみる。
なまえちゃんは何も疑いもせずに、本当?と潤んだ瞳でボクを見上げるから。
愛らしいその表情にボクの理性は一瞬で何処かに行ってしもた。


怖がるなまえちゃんの頬を両手で包んで、その柔らかな唇にキスを落とした。


『ん…っ』


突然酸素の出入り口を塞がれたなまえちゃんは、苦しげに眉を顰めた。
ボクの羽織を掴む手が、震えとった。


ああ、なんて愛しい。



舌で唇を割って、歯列をなぞる。


『んん、ふ…』


おずおずと、歯の扉を開ける。
待ちきれんと言わんばかりに、ボクは舌をねじ込む。
逃げようとするなまえちゃんの舌を絡め取り、吸い上げる。

くちゅくちゅと、互いの唾液が混ざり合う音に頬を紅くするなまえちゃんが可愛くて、可愛くて。
この場で押し倒してしまいたい衝動に駆られる。


「―…人の心を惑わす…っちゅうのも、あながち嘘やないねや」
『ハァ…ッ…え?』
「なまえちゃんを押し倒したいっちゅう話や」


そう言って笑えば、顔を真っ赤にしてボクの胸を叩くなまえちゃん。


「ははっ…さすがに此処ではせェへんよ?」


そう言ってボクはなまえちゃんの耳元でそっと囁いた。


「続きは、帰ってから…な?」


ボクの言葉に、バカ。と一言漏らす。
耳まで赤いなまえちゃん。
その頬に唇を当てると、そのままなまえちゃんを横抱きにした。


『きゃぁ?!』
「早よ帰りたいねん」


驚くなまえちゃんの意識と反論だけをその場に残して、ボクは瞬歩を使た。
景色が流れ、すぐにボクの家に着いた。


『もう!
瞬歩使うなら先に言ってよ』


びっくりした、と怒るなまえちゃんの手を握る。
半ば無理矢理家の中に引きずり込むと、玄関先で草履も脱がんとなまえちゃんの唇に噛み付いた。


『んぅ!?
…ッハァ…んっ』


息継をする間も与えんと、なまえちゃんの唇を貪る。

不意に、風の所為か引き戸がカタカタと音を立てた。
先程の話の所為か酷く敏感になっとったなまえちゃんは、ビクッと体を揺らす。
小さく震えだすなまえちゃんの、冷たくなってしもた手を握る。


『ッ市丸隊ちょ…』
「ギン、て…呼んでや」
『…ッギン…』


震える声、零れる吐息。
なして、君はそないにも可愛えのやろか。


またもカタカタと鳴る引き戸。
震えるなまえちゃんは、ボクの手を握って訴えた。


『ッ怖い…』


ボクはその手を強く握り返し、また横抱きにして寝室に向かった。
布団の上に優しくなまえちゃんを下ろし、キスの雨を降らせる。
おでこや頬、鼻の頭など。
くすぐったいのか、小さく笑いを漏らすなまえちゃん。


「もう、怖ないやろ?」


指と指を絡ませ、なまえちゃんの手の甲に唇を落とす。
チュッとリップ音が鳴り、羞恥から頬を紅く染めるなまえちゃんの瞳に恐怖はなかった。


しゅるっと摩擦音を立てながら、死覇装の帯を解く。
なまえちゃんは解放感に目を閉じる。

白い肌が露わになり、膨らみを揉みしだく。


『ッあ…』


甘い声を漏らすなまえちゃん。
もっとその声が聞きたくて、胸の先端の桃色の飾りに舌を這わす。
口に含んで舌先で転がす。


『ッん、んぁ…ハァ…』


ビクビクッと小さく体を揺らす。
片手で胸を揉み、もう片方の手で腰のラインをなぞる。
くすぐったいのか、眉を顰める。

内腿をなぞり、足の付け根をくすぐる。


『ッ…ハァ…』


頬も紅潮し始め、次第に妖艶になっていくなまえちゃんに、ボクの理性は限界やった。

秘部に手を伸ばせば、くちゅ…と水音が鳴る。


「もうこない濡れとるで…
なァ、気持ち良えの?」
『っそ…んな訳…!』
「せやかて、ほら。
聞こえるやろ?」


くちゅぐちゅと、秘部をなぞれば、卑猥な音。
その音を聞きたくないと言わんばかりに、やだやだと首を横に振る。

指を二本、なまえちゃんの蜜壺に埋め込む。
関節を曲げて、内壁を擦り上げた。


『ッや、あああッ
それ、ダメぇ…!』


大きな瞳から涙を零す。
ボクは笑みを深めながら、舌先で淫核をつつく。


『ひ、ぁ…ッ』


舌で包み込み、唇で挟む。
時々甘噛みすれば、体が快感に痙攣する。

内壁を擦る速度を上げ、淫核を吸い上げる。


『やぁああ!それ、だ…め!
イッちゃ……ッ!!』


ボクの指を、これでもかというほど締め付けてなまえちゃんは脱力した。
荒く息をつき、涙が頬に筋を作る。
ボクはその涙を舐めとると、いきり勃ったソレを突き立てた。


『ッあぁああぁ…!!』


達したばかりで敏感になっているなまえちゃんの蜜壺はボクを締め付ける。


「く…キツ…」


蜜を溢れさせている為、なまえちゃんに苦痛の表情は見られへん。
ボクはなまえちゃんの腰を持つと、子宮めがけて腰を振った。
肉と肉がぶつかり合う乾いた音、結合部から響く水音。
涙を零しながら啼くなまえちゃんを組み敷いて、ボクはひたすらに腰を打ちつけた。


『あ、も…壊れ…ちゃう…』
「…ッ良えよ、壊れて」


クス、と笑みを零せば、なまえちゃんがボクに手を伸ばす。
ボクはその手を握って、先程と同じ様に手の甲にキスした。


『や、だ…』


怖い、と震えるなまえちゃんの手を強く握る。


「大丈夫やて、ボクが居てるやろ」
『ッギン…ッあぁ』


壊れてしまうことを恐れて泣くなまえちゃんの手は微かに震えていて。
恐怖心を少しでも取り除いてあげようと、手を握り返した。

律動を再開すれば、また甘く喘ぐなまえちゃん。



愛しい、愛しい。
こないにも、君だけが愛しい。


壊れてしまえば良え。

壊れて、ボクだけのモノになれば良えのに。


ボクは、怖がる君の手を握った。
強く、優しく。

愛してる、と伝えるように。



『―…ぁ、ギン…私、もう…ッ』


なまえちゃんのナカの収縮が激しくなる。
ボク自身も限界やったため、腰を振る速度を上げる。
突き上げるように動かせば、喘ぎというよりも叫びに近くなるなまえちゃんの声。


「…ボクも、イきそうやし…
一緒にイこか」
『ッあ、もう、本当にイッちゃ…う…!!』
「ッ…ハァ…なまえちゃん…愛してるで」
『ひ、ぁ…ッああああぁあ』



痙攣するなまえちゃんのナカに、ボクは白濁とした欲望を全て出した。


黄昏はすっかり闇の中に消えて。

何も知らない月だけが、ボク等を照らしていた。













「―…案外、なまえちゃんが魔物やったりしてな」


布団に二人並んで横になって。
ボクの腕の上に遠慮がちに頭を乗せるなまえちゃんの髪を指先で弄りながらそう呟いた。



『え?』


まどろんでいたなまえちゃんは、寝むそうな声で反応を示す。
ボクはそないななまえちゃんの額にキスをして、微笑んだ。


「…それくらい、魅力的っちゅう話や」
『ッまたさっきの話?』
「せやで。早よ寝んと来るかもなぁ」


こどもに言うような脅しに、慌てて目を閉じるなまえちゃんが少し可笑しくて笑った。
何で笑うの、と怒るなまえちゃんの唇にまたキスをして、ボク等は眠りに就いた。

なまえちゃんの細く、華奢な指にボクの指を絡ませて。

怖いのか、何時もよりも体温が近い。



怖がるの、

手を握った。


その手はとても冷たくて。
これからも、ボクが温めてあげようと思った。




これからも、ずっと一緒に居れるかな。

有り得へん未来を想像して怖がる君の、手を握った。

大丈夫、もし一緒に居れん様になったら、ボクが君を壊すから。








怖がるの、
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ボクの狂気を君は知らへん。


(好きな子は苛めたい市丸さん)


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