yume-utsutsu..*

name change  
nrt | btl | main  

奏でるメロディ
49/49





奏でるメロディ


貴方が立ち上がる。
衣擦れの音と共に

貴方が近寄る。
歩幅の広い足音と共に

貴方が触れる。
早まる心臓の音と共に。

貴方が奏でる
快楽の音―…




『ッハァ…』
「どないしたん、そない仰け反って。
気持ち良えの?」
『ッあ…違…』
「違うん?
そら残念やなァ…
ご褒美、あげよ思ててんのに」


勃ち上がったソレをあたしの頬に押し当てる。
赤黒いソレは仰け反り、その存在を強く主張している。


「なまえちゃん。
これ、欲しいん違う?」


ニヤリ、と意地悪く口角を釣り上げるのは、あたしの上司でも有り恋人でも有る、三番隊隊長、市丸ギン。
夜の闇の中に映える、鮮やかな銀髪。
薄らと開いた瞼から覗くのは、挑発的な紅玉。


「正直に言うてみ?」
『ッあ!』


グリッと、少し強く蕾を潰された。
あたしの弱点を知り尽くしている彼は、巧みにあたしの躯を翻弄する。


『ほ…しぃ…ッ』


涙ぐみながら、震える声でそう発する。


「ふぅん…何を?」


愉しそうに口角を上げて、あたしを見下ろす紅い瞳。


『ッ…ギン…の…大きいヤツ…』


羞恥心で躯が燃えてしまいそう。


「それって、どれ?」
『ッ…言えない…』
「ほな、あげない」


クス、と笑いを漏らし、あたしのナカに指を突き立てた。


『はああぁあッ…ン!!』


びくびくっと躯を揺らせば、あたしの中で暴れるギンの骨ばった長い指。


「あらら。達てしもてん?
誰も許可なんて出してへんのに」
『ぁ…ごめ…ッさい…あ!』


バラバラとあたしのナカで動きまわる指。
自分の与える快感に乱れるあたしを、至極愉しそうに見降ろす。


「ほら、音…聞こえるやろ?」


―グチュッズチュッ…クチュクチュ


『や…ッ』
「何や今日はえらい濡れとるなァ…
なぁ、そない気持ち良えの?」


耳を犯す卑猥な音に赤面する。
ひくっと喉を反らせれば、其処に落とされる優しい唇。
強く吸われ、時々甘く噛まれる。


『は…ぁンッハァ…』


自分で確認することは出来ないけど、首筋に咲いたのは紅い華。
貴方の瞳と同じ、紅。


「なァ、教えて。
気持ち良え?」


縋る様な子どもっぽい声に、あたしは必死で頷いた。


『き…もち、良い…ッハァ…ン』
「…ほな、ボクも気持ち良くさせて」
『ぇ…あッああぁあ…!』


いきなり侵入してきた、ギンのソレ。
指とは違う質量、熱。
花弁を巻き込み、蜜を絡ませ。
奥へと進む度、聞こえる水音。


―ヌチュッ…ズプッ…


『ッあ、ああッハァ…あン!』


ギンの白い首に腕を巻き付け、意識までも振り落とされないようにしがみ付く。


「ああ…ナカ、仰山濡れとるわ…
なまえちゃん、ボクの事締めつけて離さへんみたいやで?」


クスクスと笑うだけの余裕があるギンに比べ、あたしは喘ぎながら呼吸をするので精一杯。


『ッや、ああッ…ひ、ぁ!
ギン、ギ…ンッ』
「ん?此処に居るよ」


目をきつく閉じてギンの名前を呼べば、大きな掌があたしの頬を包む。


『あ、気持ち……いッ』
「なまえちゃん、可愛ええなァ…
そないな事言うと、めちゃくちゃにしてまいそうや」


吐息混じりのギンの声は、無駄に色気を帯びていて。
あたしの耳に吹きかかる温かい息は、快感となってあたしの背筋を駆け抜ける。


「ッ…なまえちゃん、無意識に締め付け過ぎ…や」
『ぁ?…あ、ああッ
らめェ…そんな…!
ハァ…ッあ、ああン!』


急に激しくなった律動。
ギンが奥にまで届いて、あたしのお腹の中を抉る。
ギンの大きな腕があたしの腰を抑え付ける様に掴み、腰を打ち付けて来る。


『あッあ、ハァ…んッ
や、も…ダメダメェ…ッ』
「ボクも、もう限界…
一緒にイこか…ッハァ」


薄く瞳を開ければ、見えるギンの切ない表情。
余裕の無いギンの表情は、あたしを更に煽る。
でも、ギンを盗み見る余裕も、とうとうあたしには無くなって来た。

下腹部が疼き、爪先がじんじんと痺れる。
ギンが腰を打ち付けて来る度、自分でも嫌という程濡れて来るのが分かる。
快感の波が、もうすぐ其処まで迫った来た。


―ッズチュッ…グチュッヌプッ…


『あ、あああンッひゃぁ…!
ああ、も…気持ち良い、よぉッ
ああぁあッハァ…ンぁ!』


シーツを握り締め、髪を振り乱す。
襲い来る波に、あたしは徐々に呑まれていく。


「なまえちゃん……
ッ愛しとるよ…ッく…出る…ッ」
『ああ、あッ
やあぁあああああぁあッ』


波に呑まれたあたしの躯を、快感が駆け抜けた。
ナカにギンの熱いモノが放たれる。
その熱を感じながら、あたしはぼんやりと天井を見つめていた。


「ッ…」
『あ、ン…ッあ』


ズリュッと、蜜を絡ませたまま引き抜かれ、その感覚に余韻の残る躯は敏感に反応し、軽く達してしまった。


「抜いただけやのにイッてしもて…。
なまえちゃんは変態やね」
『ッ…意地悪…』


潤んだ瞳でギンを見遣れば、優しく微笑んであたしの額にキスを落とした。


「堪忍。
なまえちゃんが可愛ええから、不可抗力や」


チュ…と、唇が発する摩擦音。
ぐったりとするあたしに代わって、布団を掛けてくれる。


『ギン…』
「ん、何?」
『さっき、言えなかったんだけどね。
あたしもギンの事愛してるよ』


快感に溺れていたあたしは、会話なんてする余裕は無く。
それでもしっかりと届いていたギンの愛の唄。


「…あかん」
『え?』
「ムラッとした。
もう一回シよ?」
『え!?』


ガバッと布団を蹴飛ばし、あたしに覆い被さるギン。


「大丈夫や、明日休みやし」
『そういう問題じゃ―…』
「仰山愛の唄、奏でたるわ」
『ッ馬鹿…』


ギンの優しいキスを受け入れたら、あとはもう成すがままで。
ギンの細く長い指が奏でる快感に、あたしは溺れた。


あたしが何よりも好きなのは



「なまえちゃん、愛しとるよ」



世界にたった一つの
愛しい人の愛の唄。





奏でるメロディ
--------------------
貴方がくれる、愛の唄。


(今日も耳元で囁いて)


[TOP]



 



[ top ]