東軍も負けてないんじゃない?



『元親!買い物行くんだけど荷物持つの手伝って』

「悪い、今日は他の奴に頼んでくれ!」

『そう…じゃあ真田くん、』

「も、申し訳ありませぬ!某も…」

『…三成は?』

「〜〜っ!!!」

『む、無理なんだね!分かったから、大丈夫だから!』

「我も行かぬ」

『いや、元就さんが手伝ってくれないのは知ってますよ』



庭に居た武将たちに買い物の付き添いをお願いしたけど、今日はみんな都合が合わないらしい

あの三成も断るだなんて



「姫さん!俺様が荷物持ちしてあげる」

『ありがとうございます、佐助さん!』

「…………」

「…なに?風魔も行くわけ?せっかく二人きりなのに邪魔しないでよ」

「………(苛)」

『ケンカするなら一人で行きます』

「…ごめん」

「………(涙)」







『あ!イルミネーション綺麗!』

「いるみ…なにそれ?」

『クリスマスに向けた飾りです。そっか…もうそんな時期ですね』



お店を彩る光

それを見て、ああクリスマスなんだと実感する。彼らにとっては初体験か



『クリスマスケーキも買わなきゃですね!どうせなら政宗さんたちと手作りで…』

「あー…独眼竜の旦那たちは忙しいかも」

「………(コクッ)」

『え…じゃあ、やっぱり買いましょうかね』



予約とかしてないけど大丈夫かな…そんなことを考えていると、ふと視界の隅を横切った赤



『…サンタ』

「くりすますに贈り物を運ぶ奴だっけ?」

『はい、もうコスプレで店番してるんですね』

「………」

『…小太郎くん?』



袖を引っ張り私を呼び止めた小太郎くんはサンタを指差していた

次に自分の後ろ髪を結び…ファイティングポーズ?



『…あ!真田くんのマネか!』

「………(コクッ)」

『あは、確かに赤だもんね。じゃあ佐助さんが真っ赤なお鼻のトナカイさん?』

「うーん…となかいさんがどんな奴か知らないけど、喜んじゃダメそうだね」

『何言ってるんですか!働き者の象徴です』

「………(笑)」

「・・・・・」







「おい雪子!」

『はい?』

「アンタ、食えない物とかあるか?」

『…いえ、特にないですよ』

「そうか」



政宗さんからの質問に答えると、少し安心したような顔をされた

私の嫌いな物とか今更な気がする



『何か料理するんですか?新作の考案とか』

「っ……雪子は勘が鋭いな。ちょっとバカなくらいが女は可愛いぜ?」

『可愛さ求めてないです。内緒ですか?』

「ああ…だが悪いようにはしねぇよ。楽しみに待ってろ」

『はい!じゃあ、完成したら一番に食べさせてくださいね』

「もちろん。ああ、口移しってのもアリだが?」

『大学のレポート仕上げてきまーす!』

「………逃げたか」







『片倉さん、片倉さん』

「あ?なんだ、雪子か」

『…今、背中に何か隠しました?』

「いや、気にするな。それよりもお前の用を聞く」

『あ、はい。クリスマスケーキはやっぱり苺にします?』



片倉さんの前に広げた広告には、たくさんのクリスマスケーキが並んでいた

王道の苺、みんなが好きなチョコレート、他にも果物がたくさん乗ったものやチーズなどなど



『私、一度でいいから“全種類ください”って頼んでみたいんです』

「…いや、さすがにこの人数でも全部は無理だろ」

『真田くんなら2つくらい食べれませんかね…』



残念だけど全種は別の機会にしよう



『じゃあ、一番大きいやつにしますね!楽しみにしててくださいっ』

「ああ…お前もな」

『???』



ニッと笑った片倉さんは、いつもより少し意地悪な顔をしてました



1222.


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