西軍の結束を見せる時!



「よぉ、何してんだお前ら」

「…貴様こそ何をしている」



真田や毛利と共に庭へ出れば、奥の物置から長曾我部が何かを取り出しているところだった

それはボロい板や壊れた棚…使い物にならぬものばかりだ



「長曾我部殿もくりすますに何か贈るのでござろうか?」

「あ?まぁな、雪子の部屋の棚が壊れかけてたんで、新しいのを作ろうと思ってる」

「棚を…」

「あとは台だな!雪子は小せぇから高い所の物取るのは苦労してるだろ?軽くて安定したやつ作るつもりだ」

「………」

「どうした?」

「…いや、貴様が兄代理と呼ばれる理由が分かった気がしただけよ」



首を傾げる長曾我部に対し、私たちは揃って気まずい表情をしているだろう

長曾我部も伊達ら同様、自らの力で雪子様に喜んでもらおうとしている

私では、何をすればあの方が喜ぶのか分からない



「で?俺に用があったんじゃねぇか?」

「実は…」









「はは!確かにアンタらじゃ食えるものは作れねぇな!」

「黙れっ!!!」

「長曾我部殿…某たちに何ができるだろうか?」

「うーん…」



腕を組み考える仕草を見せる長曾我部

私たちの顔を順に見比べ、何か思い付いたのかあっと声をもらす



「アンタらも一緒に作るか?」

「…棚や台をか?」

「いや、別だ。てれびで見ただろ?くりすますってのは木や部屋を飾ったりするらしい」



長曾我部が言うには、その飾りつけを私たちで行えばいい…ということらしい

くりすますとは祭りか?ならば飾りつけは不可欠



「なるほど…だが、何をすればいい?」

「つりぃではないか?」

「つりい?」

「巨大な木を小物で飾っていた。貴様が言っていたのはそれであろう?」

「おう!」

「待っておれ、その絵が載った書物があった」



そう言って部屋へと戻る毛利

何だかんだと渋ってはいたが奴もやる気ではないか。そして真田も隣で気合いを入れている



「某、俄然ヤル気が出て参った!雪子殿に喜んでもらえるよう善処致すっ!!」

「言っとくが俺も負けねぇからな!勝負だ真田」

「フン!雪子様に喜んでいただきたい気持ちは私が一番だ!!」

「お?じゃあ石田も入れて勝負といこうか…て、俺らは同じ物作るんだから勝負になんねぇな」

「ム…では某、佐助には負けぬぁぁあぁぁっ!!!」

「そうだな、伊達や片倉には負けらんねぇか!」

「雪子様の第一の家臣は私だ風魔ぁぁあぁぁっ!!!」

「黙らぬか貴様ら!!近所迷惑ぞ!」







「…ねぇ、大将たちが何か叫んでるんだけど」

「ほっとけ。Christmasまでは奴らと関わるな」

「それが得策でしょう。特に石田や真田は台所を壊しかねません」

「………(笑)」

「…ごめんよ大将、すべてはくりすますと姫さんのためだ」



1221.


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